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安東泰志の真・金融立国論

来年3月いよいよ期限切れ
金融円滑化法の「正しい」出口戦略

安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]
【第26回】 2012年10月15日
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 亀井静香金融大臣(当時)の肝煎りで2009年12月に施行された「中小企業金融円滑化法」(以下「円滑化法」)は、当初期限を1年延長したが、来年3月にいよいよ期限切れを迎えることとなる。

 08年9月のリーマンショックを契機に売り上げや利益率が大きく落ち込み、資金繰り難に直面した中小企業にとって、同法は干天の慈雨であっただろう(図1)。しかしながら、企業の利益率はリーマンショック前に比べて大きく低下したままであり(図2)、景況感も最悪期は脱したとはいえ、まだマイナス圏で推移している(図3)。

 にもかかわらず、後に検証するように、この間の銀行の不良債権は表面的には増加しておらず、10年、11年は倒産件数が各々▲8.5%、▲14.4%と大幅に減少した(出所:帝国データバンク)。経済の実態に照らして極めて不自然なこうしたデータが意味するのは、国を挙げた問題の先送りが行われたということである。しかし、今年度に入って、その矛盾が噴出しつつあり、円滑化法の期限を控え、これまでのような問題の先送りでは解決できない段階に至っている。円滑化法の正しい出口戦略はどうあるべきなのか、これまでの政策対応の是非を含めて考えてみたい。

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安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]

東京大学経済学部卒業、シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、1988年より、東京三菱銀行ロンドン支店にて、非日系企業ファイナンス担当ヘッド。90年代に英国ならびに欧州大陸の多数の私的整理・企業再生案件について、参加各行を代表するコーディネーターとして手がけ、英国中央銀行による「ロンドンアプローチ・ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。帰国後、企画部・投資銀行企画部等を経て、2002年フェニックス・キャピタル(現・ニューホライズンキャピタル)を創業し、代表取締役CEOに就任。創業以来、主として国内機関投資家の出資による8本の企業再生ファンド(総額約2500億円)を組成、市田・近商ストア・東急建設・世紀東急工業・三菱自動車工業・ゴールドパック・ティアック・ソキア・日立ハウステック・まぐまぐなど、約90社の再生と成長を手掛ける。事業再生実務家協会理事。著書に『V字回復を実現するハゲタカファンドの事業再生』(幻冬舎メディアコンサルティング 2014年)。
 


安東泰志の真・金融立国論

相次ぐ破綻企業への公的資金の投入、金融緩和や為替介入を巡る日銀・財務省の迷走、そして中身の薄い新金融立国論・・・。銀行や年金などに滞留するお金が“リスクマネー”として企業に行き渡らないという日本の問題の根幹から目をそむけた、現状維持路線はもはや破綻をきたしている。日本の成長のために必要な“真”の金融立国論を、第一線で活躍する投資ファンドの代表者が具体的な事例をもとに語る。

「安東泰志の真・金融立国論」

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