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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

ハイアールはかくしてタイの
旧三洋電機・冷蔵庫工場を蘇らせた

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第128回】 2012年11月1日
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 物作りにおいては誰にも負けないと自負している日本企業がこの頃、元気がない。とくに、ソニー、パナソニック、シャープなど「メイド・イン・ジャパン」を象徴する大手電機メーカーが昨年度、過去最大の赤字に陥り、三洋電機に至っては空中分解してしまったかのように、吸収合併されたりして、ブランドもなくなってしまった。日本の基幹産業をなすこれらの企業が直面する厳しい局面を、メディアが「過去最悪」、「巨額最終赤字」、「壊滅的」といった言葉を使って表現する。

伝えきれないことを
伝えたい

 活字メディアも映像メディアも競って日本企業が再起できるのかを議論・分析する特集を組んだりして、その報道に力を入れている。NHKもその例外ではなく、10月27日、28日の2夜連続でスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」を放送した。27日は「第1回 岐路に立つ“日の丸家電”」、28日は「第2回 復活への新戦略」と題する番組だった。

 NHKは2夜連続のこの番組で、ついこの間まで世界を席巻していた日本の製造業がなぜこうした状況に陥ったのか、サムスン(韓国)、ハイアール(中国)など強力な海外のライバルメーカーはどうやって力をつけたのか、そして、「どうしたら逆襲のシナリオが描けるのか。この20年あまりの各社の戦略・時代の変化を見つめ直しながら」、日本の製造業の行方を考えようとした。

 2002年以降、テレビ制作関連の仕事を辞退するようになった私は、NHKからの要請でその第2夜目の番組にあるハイアール関連の取材に協力した。しかし、放送枠や時間配分などいろいろな事情により、取材した内容の多くが取り上げられないままになってしまった。非常に残念に思っている。

 熾烈なビジネス競争の現場を見てきた一ジャーナリストとしては、世界のビジネス現場で何が発生しているのかを読者に伝える義務を強く感じている。数回に分けてこれまでの私が取り組んできたテーマなどに沿って、ご報告しようと思う。今回のレポートは、その第1回とする。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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