コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、中外製薬や武田薬品工業など製薬業界の4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
4社全てが減収
製薬業界の現在地は?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下の製薬業界の4社。対象期間は21年1~3月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・中外製薬
増収率:マイナス5.9%(四半期の売上収益1688億円)
・武田薬品工業
増収率:マイナス0.2%(四半期の売上収益7703億円)
・第一三共
増収率:マイナス0.5%(四半期の売上収益2237億円)
・アステラス製薬
増収率:マイナス1.2%(四半期の売上収益3086億円)
次ページからは詳細の数字とともに、その要因を解説する。