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シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「三丁目の夕日ビジネス」はなぜ生き続けるのか?
自転車部品とリヤカーで儲ける“やり手店主”の知恵

――有限会社コーエイ商会代表・近藤義治さんのケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第10回】 2012年11月6日
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 連載第10回は、自転車やリヤカーの部品を自転車店などに販売する卸売店を紹介しよう。地域の人から「親父」と呼ばれる店主は、シュリンクする業界で新規ビジネスを次々と始める。独特のキャラクターで苦境を乗り越えるが、その秘策に焦点を合わせ、取材を試みた。

 本人の了解により、今回も実名でお伝えすることをお断わりしておく。

 あなたは、生き残ることができるか?


今回のシュリンク業界――自転車部品卸売業

 自転車協会によると、全国の都道府県の自転車の保有台数は、ここ十数年、約6800~7000万台と大きく変わっていない。東日本大震災の反動もあり、2011年年間の1店当たり販売台数(中古車除く)も222.7台と、対前年比103%となっている。ただし、その内情は変わりつつある。

 最近は、中国製などの安い製品が市場に出回るようになり、価格破壊が進む。経済産業省機械統計によると、2012年は8月までの累計で、完成自転車の出荷金額が対前年比91%と落ち続けている。大手メーカーの中には、扱う自転車の種類をより付加価値の高いものへと見直す動きもある。

 こうしたシュリンク傾向のなか、全国の自転車店の店舗数は減少傾向にある。店舗はこの3年間で1500店近くも減り、2011年には1万8000店ほどとなった。店主の高齢化と後継者不足、技術不足などが要因と言われる。当然ながら、これらの店に部品を販売する卸売店も、売上低下や後継者不足の問題にぶつかり、次第に淘汰されつつある。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

「シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史」

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