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シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

自動車教習所は“たそがれ業界”なのに殿様商売?
ベテラン教習員が訴える「生き残り営業術」の中身

――上北沢自動車学校教習員・斉藤孝行さんのケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第11回】 2012年11月13日
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 連載第11回は、自動車教習所で営業力強化を説く労働組合委員長を紹介しよう。少子化が進み、運転免許を取ろうとする教習生が減り続け、この業界もまたシュリンクしている。「午後4時の業界」とも言われるなか、委員長が考え付いた妙案とは……。

 あなたは、生き残ることができるか?

 なお、本人の了解により、今回も実名でお伝えすることをお断りしておく。


今回のシュリンク業界――自動車教習所

 警察庁が発表した運転免許統計によると、公安委員会が認定した指定自動車教習所の卒業者数は20年ほど前に約260万人だったが、最新の調査(2011年)では約153万人にまで減った。教習所の数も、10年ほど前に1500近かったが、2011年には1366にまで落ち込んでいる。

 各教習所は、教習料金の値下げをすることで教習生を確保しようと試るが、学生の「車離れ」もあり、スムーズには進んでいない。また、戦後地主から教習所の経営者になった層の引退に伴い、経営者層の刷新や世代交代も進む。労使紛争を抱え込む教習所も少なくなく、生き残りに向けて大きな曲がり角に入っている。


車離れにより教習生が減り続ける
伸び悩む自動車教習所の“切り札”

 「怖いことですよ。率直に言えば……。だけど、我々には免許の更新ができないようにする権限はないですから……。日本は既得権を取り上げることに抵抗がありますからね」

 上北沢自動車学校(世田谷区)教習員の斉藤孝行さん(52)は、考え込んだ後、こう答える。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

「シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史」

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