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シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

ネオン街で繰り広げられる生き残り競争の現実
消えた「中国人マッサージ店」の爽やかな女性たち

――都内の零細店で働く中国人マッサージ師のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第24回】 2013年2月26日
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 連載第24回は、都内などで乱立する「マッサージ店」を紹介しよう。今回取り上げる店は、都内中心部にあったが、昨年暮れに閉店した。その店に5年以上に渡って通い続け、内情を知る私が、マッサージ店が抱える経営リスクを明らかにしよう。

 あなたは、生き残ることができるか?


今回のシュリンク業界――マッサージ店

 10分~30分ほどのサービスを行なうマッサージ店は、都内では1990年代の半ば頃から増え始めた。起業・開業に多額のお金は要らないこと、整体師などは民間資格・認定資格のため、民間の学校に通って資格を取得できることも、開業数が増えた一因と見られる。

 最近は、業界自体がすでに飽和状態となり、競争は激化、価格破壊も進む。一方、過当競争のなかで警察に摘発される店もある。


腰痛持ちの筆者が長年通った
マッサージ店はなぜ消えたのか

 そのマッサージ師の女性は、40代後半。日本語は「そうですよね……」という言葉しか話さなかった。こちらがお金を払うときにも、この言葉を口にする。店を出るときに「いつもは何時間働くの?」と尋ねても、「そうですよね」と答えていた。

 私は、女性を指名し続けた。指名料を上乗せされることはなかった。他の2人のマッサージ師のレベルは低かった。「30分3000円」としては高い、と思えた。

 待合室には、小さなテーブルがある。その上に中国製のお茶とガラスのコップがあった。それを口にした後、奥へと向かう。部屋は真っ暗になっている。2メートルほど先も見えない。服を脱ぎ、下着だけになる。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

「シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史」

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