「億り人」が保険に入らない意外な理由Photo:PIXTA

サラリーマンとして資産形成に成功した“億り人”の多くは、決して株で一発当てて大金持ちになったわけではない。彼らは長い期間をかけて資産形成に成功している。今回は、“億り人”が大切にしている「ある考え方」をご紹介しよう。(経済コラムニスト 大江英樹)

お金がたまらない人は
「保険のわな」にハマりがち

 筆者の友人や知人にはファイナンシャル・プランナーが多い。彼らのところに相談に来る人の中には、「家計が苦しくてなかなか貯蓄ができない。一体どうしたらいいだろうか」という人が一定の割合いるそうだ。ところが、そういう人の家計を調べ、支出の状況を見てみると、あまり必要のない保険に毎月5万円も6万円も払っているケースがあるという。

 そういう場合、保険の見直しをして保険料を減らし、その分を貯蓄に回すことを勧めることが多いそうだ。確かに、貯蓄ができないのに不要な保険にたくさん入っているというのは本末転倒だろう。

 そもそも保険というのは何のために存在するかというと、「確率極小、損失極大」という事態に備えるためのものである。もう少し具体的に言うと「めったに起こらないけど、もし起こってしまったらとても自分のお金では対応できない」という事象に対するものだ。つまり、自分ひとりの蓄えではカバーできないトラブルに対して、不特定多数の人たちがお金を出し合い、不幸にしてそういう目に遭ってしまった人にそのお金を回してあげることで助けてあげるというのが目的である。だからこそ、保険は「相互扶助の制度」であるといわれるのだ。