日本で唯一の専門機関で
初の「お祭り」を開催

 超高齢化時代に本格突入したの日本。
  「人は、何歳まで自分で運転するべきか?」
  このテーマを追うなかで、ある施設の存在が気になった。
  島根県「中山間(ちゅうさんかん)地域研究センター」。

「日本国土の7割を占める、都市や平野地域を除く山がちな地域のこと。日本全人口の13.7%が分散的に暮らす居住地域。同地域での高齢化率は25.1%」(島根県中山間地域センター資料・2000年、国勢調査に基づく)

 これが、中山間地域の定義だ。

 秋深まる、2012年11月4日(日)。島根県の小さな町で開催されたイベント、「中山間フェア」に出かけてみた。

「島根県中山間地域研究センター」(島根県飯石郡飯南町)外観  Photo by Kenji Momota
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 島根県飯石郡飯南町。通称「出雲神話街道」(国道54号線)で、松江から約60km、広島から約100km。さらに山あいの道で、世界遺産「石見銀山」から約50km。島根と広島の県境近いこの地に2002年、「島根県中山間地域研究センター」がオープンした。

「この建物ができて、ちょうど10年目。組織としては15年目だ。これまで県内外から(自治体や企業関係者の)見学を迎え入れてきた。今回は我々のこれまでの活動内容を地元周辺の皆さんに直接見ていただこうと考え、フェアとして初めて開催した」(所長・佐藤操氏)。

「中山間フェア」、模擬店前で人気の「い~にゃん」 Photo by Kenji Momota

 所内では、飯南高校・赤来中学校の吹奏楽部の演奏会、ロケットストーブの実演会、染め物体験、木工体験などを開催。猪ラーメン、出雲そば、芋煮など、地元グルメの屋台も登場。詰めかけた親子連れや高齢者の笑顔が広がった。ゆるキャラ「い~にゃん」の周りに、子どもたちがドッと集まった。