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商社を支える“いまどき” ビジネス

社員食堂から“意外なあの場所”にまで展開!
三井物産の超優良ビジネス「給食事業」のヒミツ

【第6回】 2012年11月16日
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「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」(マツダスタジアム)

 2009年3月、広島の戦後復興の象徴ともいえる「旧広島市民球場」が、惜しまれつつ52年の歴史に幕を閉じた。しかしその翌月には「新広島市民球場」として最新鋭の設備を備えた「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」(マツダスタジアム)が誕生。その斬新なコンセプトで完成から3年が経った今も大きな注目を集めている。

 なんと言ってもこのスタジアム、観客席がとてもユニークだ。寝そべりながら観戦できる「寝ソベリア」や靴を脱いで掘りごたつのようにくつろげる「鯉桟敷」、そしてバーベキューをしながら観戦できる「びっくりテラス」などがある。またフードコーナーには、広島名物お好み焼きから韓国料理専門店まで、なんと21業態の売店が軒を連ねている。

 実はあまり知られていないが、この新球場のフードサービス全般を委託されているのが、三井物産と全米最大のフードサービス企業・アラマーク社との合弁企業であるエームサービスだ。

 エームサービスは現在、社員食堂から病院、外部委託が加速する学校、「マツダスタジアム」をはじめとしたスポーツ施設、さらには刑務所まで、全国3500ヵ所で事業を展開。子どもからお年寄り、トップアスリートにまで食を届けている。しかも同社は、「創業から今まで売上が前年割れしたのは2回だけ」(永江晃治・三井物産コンシューマーサービス事業本部サービス事業部部長(取材当時))。経営環境が厳しい今の時代にはなかなか考えられない超優良ビジネスだ。

 しかしもちろん最初から順調だったわけではない。およそ35年前、エームサービスの創業にあたっては、様々なハードルを超えなければならなかった。

1976年、カフェテリアのある食堂が誕生!
「社食」の常識を変えるまでに“ハードル”も

 1970年に開催された大阪万国博覧会後、ケンタッキーフライドチキンをはじめとした海外外食ブランドの日本進出が加速していた。そうしたなか、三井物産も外食産業ビジネスへの進出に向けた構想を開始する。ただ、外食産業への進出には様々な課題があった。まず、不特定多数を相手しなければならないため、広告宣伝や店舗設計などの初期投資が大きい。そこで注目したのが、設備投資は基本的に事業先が100%負担する、企業の社員食堂等での給食事業だった。

 ほぼ同じ頃、アメリカでフードサービス事業を展開するアラマーク社も日本進出を視野に動き始めており、これを三井物産が察知。こうして互いのタイミングが合致し、検討を重ねた結果、1976年に契約へと至った。

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商社を支える“いまどき” ビジネス

世間一般には、「モノやサービスを仲介する仕事」と思われがちな商社だが、足もとでは、従来の価値観に囚われない事業展開を行なっている。有名なのは、世界中で需要が急増している資源・エネルギー分野のビジネスだろう。採掘から、製品化、流通・販売まで、全てのプロセスに投資を行なう各社は、資源高の恩恵を享受して、軒並み収益増に沸いている。しかし、彼らが参入しているビジネスは、こうした重厚長大分野に止まらない。時として、衣食住に関わるコモデティ分野まで深く入り込み、ビジネスの裾野を着々と広げている。この連載では、商社の屋台骨を支える「いまどきビジネス」を詳しく紹介しながら、日本企業が新しいビジネスを生み出すためのヒントを考える。

「商社を支える“いまどき” ビジネス」

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