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山崎元のマネー経済の歩き方

時は金なり!について考える

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第252回】 2012年11月19日
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 時は金なり。時が金よりも大切な場合があるから、正確ではない。しかし、ビジネスパーソンに役立つ格言を一つだけ選べというなら、迷うことなくこれだ。

 まず、自分の時間に値段を付けてみよう。1日に8時間、年間250日働く人の年収が1000万円なら、時給は5000円となる。

 この人の通勤時間が30分延びたとすると、毎日往復1時間、月に20日出勤するとして、毎月10万円の損と計算できる。通勤の「疲れ」まで計算に入れると実質的にはもっと損だろう。職住接近が合理的な場合が多い。

 また、会社の1000万円プレーヤーが20人集まって、2時間会議する場合、この会議には人件費だけで20万円のコストがかかっている。会議は、メンバーも時間も節約すべきなのだ。

 3000円の本を買って、これを3時間で読むとしよう。この読書の総コストは1万8000円だ。読みだして1時間目につまらない本だと気付いたら、そこで読むのをやめるのが正解だ。もったいないのは、本代よりも、残りの読書時間のコストのほうだ。一般に、読書は本代よりも時間のコストが高い。本は気楽に買ってもいいが、読書に使う時間はよく考えよう。

 長期的な時間のコストも考えよう。仮に、人生で40年働くとする。1年間無駄に過ごすことのコストは、大ざっぱに人生の労働可能時間の2.5%だ。浪人や留年が全くの無駄ではなくても、1年にはこうしたコストがかかっていることを認識しておくべきだ。

 世間では、入社して1~2年で転職してしまう新入社員に対して厳しい意見が多い。しかし、不向きな、あるいはやりがいのない仕事に時間を使う無駄は大きい。多少の無理はあっても、転職が正しい選択になる場合が少なくない。

 直接・間接さまざまな形で、お金で時間を買うことができる場合がある。タクシーの利用やお手伝いさんなどは直接的でわかりやすいが、間接的な例を挙げよう。健康に対する投資によって働ける年数を延長できるなら、これはお金を通じて時間を得る投資だ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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