東京四大取引所の一つ、東京金融取引所(金融取)が存亡の機に立たされている。理由はそのものずばり、主力事業の低迷だ。稼ぎ頭の「金利先物等取引」と、外国為替証拠金取引(FX)の「くりっく365」の取扱量が急速に減少しているのだ(下グラフ参照)。

本業大不振で売上高が半減<br />存亡の機に立たされる金融取前任の斉藤次郎社長(現日本郵政グループ社長)の後を継いだ太田省三社長。4代続けて旧大蔵省出身者がトップに就く金融取の行く末はどうなるのか
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 その落ち込みぶりは、目を覆わんばかりだ。まず、金利先物は、今上期の取引量が前上期比21.1%減となり、さらに前々上期と比べると55.8%減となっている。日本銀行の金融緩和政策により超低金利が継続するとの見方が広がっており、企業や投資家が金利変動に備えて金利先物を利用する頻度が減っているためだ。

 さらに深刻なのが、くりっく365だ。今上期は前上期比で実に61.5%も落ち込んでいる。FXに対するレバレッジ規制の強化や、為替レートの動きが少ないことに加え、今年1月の税制改正が追い打ちをかけた。

 税制が改正されるまでは、くりっく365に代表される取引所FXは申告分離課税が認められていた上、税率は一律20%だった。

 一方、FX専門会社などが提供する店頭FXは、総合課税のため他の収入と合算され、所得に応じて最大50%が適用されていた。ところが、税制改正によって店頭FXにも申告分離課税が適用されるようになったことで、くりっく365の優位性がなくなってしまったというわけだ。