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医師5万人が参加する情報共有サイト
“集合知”で医療の質向上に挑む
メドピア社長 石見 陽

週刊ダイヤモンド編集部
【第213回】 2012年11月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
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Photo by Toshiaki Usami

 毎月2000人のハイペースで医師会員を増やし、医療業界から注目を集めるウェブサイトがある。医師に限定したソーシャルコミュニティサイト「MedPeer」(メドピア)だ。

 医療現場での疑問を意見交換する掲示板などさまざまなコンテンツがそろい、会員数は約5万人。日本の現役医師の数は約25万人なので、およそ5人に1人が利用していることになる。

 とりわけ脚光を浴びているのが、日本で唯一、医師が医療用医薬品を“口コミ”で評価する「薬剤評価掲示板」だ。薬の効果や副作用など6項目を指標とし、総合満足度を5点満点で評価。2010年の開始以来、口コミは20万件を超え、国内で処方される薬の8割(売上高ベース)に当たる1700品目をカバーする。いわば、薬の「食べログ」(飲食店口コミ評価サイト)だ。

 メドピアを立ち上げた石見陽は現在も内科医として診療を行う現役医師。「医師の多くは目の前の患者にどのような治療を施すべきかいろいろ悩んでいる。現場で得た生の情報を全国の医師で共有し、“集合知”を生かしたい」という医師ならではの発想が起業のきっかけだ。

 医師一家に生まれ自然と医師を志した石見は、心臓カテーテルの専門家になろうと臨床系大学院に進んだ。ところが、勤務する病院の不祥事により診察に携われなくなり、他大で血管再生の研究に従事することになった。臨床から離れた時期、海外の学会や異業種交流会などに参加し、視野が広がっていった。

医師バッシングに葛藤
情報共有を広げるため
事業化に身を捧げる

 当時、新聞やテレビでは病院や医師に対するネガティブ報道が盛んだった。「現場で必死になっている医師が大多数。世間にもっと医師を知ってもらいたいし、医師もより多くの情報を得るべきだ」と思い立ち、03年に若手医師数人で情報共有サイトを立ち上げた。

 翌年には同メンバー有志で会社を設立し、社長の座に就いた。

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