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インキュベーションの虚と実

しっかりしろ日本の大企業よ!
間違いだらけの新事業開発【テーマ編】

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第15回】 2012年11月26日
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 「ウチも米国のアクセラレーターのまねごとをしてるのですが、うまくいってません」

 ある大企業の新事業関係者はため息交じりに言う。

 本連載はこれまで、スタートアップを中心に議論してきたが、今回は大企業による新事業開発について取り上げる。大企業によるこうした取り組みは重要だ。しかし、なかなかうまくいっていない。

 理由はいくつもあるが、今回は「テーマ」について、正確に言うと基本的なビジネス・コンセプトづくりについて議論したい。

「そりゃ、無理でしょう」
誰もが言う大企業の新事業開発

 ここで言う大企業とは、特に歴史ある大手企業であり、1990年代以降に創業した若い企業の新事業開発については別の機会に議論することにしたい。

 最近は、いくつかの大企業がYコンビネーター500 Startupsのような米国のアクセラレーターに注目し、社内で同様のことができないかと検討を進め、、すでに取り組んでいる会社もいくつかある。

 しかし、筆者が「大企業がアクセラレーターをやっている」と話をすると、それを聞いた新事業関係者やベンチャーキャピタリストたちは8割、いや9割以上の確率で「そりゃ、無理でしょうね」「うまくいかないでしょう」という言葉を返してくる。それも、こちらが聞きもしないのに、だ。

 なぜか?

 大企業では新事業に取り組むことが企業文化や社内の業績評価・人事考課など経営の仕組みと合わない、新事業に取り組む人が保守的でリスクをとらない——。すぐにこういった課題を、読者の皆さんも連想するだろう。確かにこれは脈々たる根深い問題で、大きな壁となって大企業の新事業開発の前に立ちはだかる。

 しかし、もっとベーシックな問題が横たわっている。 “何をやるか”という出発点の問題だ。

 本連載の第5回「なぜスゴそうな人も大ゴケするのか? テーマで間違うスタートアップ」でも指摘したが、取り組むテーマがだめなら、どうにもならない。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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