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ヘイ・グループのグローバル人事・組織革新

右肩下がりの時代を生き抜く3つの方法

高野研一 [コーン・フェリー・ヘイグループ 代表取締役社長]
【第6回】 2012年11月26日
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右肩下がりの時代で
いま何が起こっているか

 日本はいま右肩下がりの局面に入りつつある。2006年以降、すでに人口の減少が始まった。退職金を受け取った世代のシルバー消費や、消費税引き上げ前の駆け込み需要でしばらくは景気が底上げされるかもしれないが、早晩市場の縮小は目を覆いようもなくなっていくだろう。

 韓国や台湾の企業が台頭し、かつて世界を席巻した日本の電機メーカーは巨額の赤字を計上するに至っている。台湾を単なるアジアの途上国と考えてはいけない。彼の国はもはやシリコンバレーの一部と考えた方がいい。ガラパゴス化して国内に閉じこもることで生き残ろうとした携帯電話も、iPhoneという外来種の侵入で勢力図が変わりつつある。

 その一方で、日本企業の国外脱出も加速していく。洪水後のタイでは、日本企業がかつてよりも生産量を拡大している。円高や電力料金値上げ、雇用の硬直性などの重荷に比べれば、洪水のリスクの方がまだマシということなのだろう。我々は戦後、こうした局面を経験したことがない。

 それでも海外や新規事業において成長の芽を見出せた企業はいいが、そうでなければ大変だ。経営者は売上が減っていく中で利益を確保するため、大幅に固定費を下げる必要に迫られる。もはや採用抑制などでは追いつかなくなっていく。何年かに一度、工場の閉鎖や人員削減に踏み切りながら、国内の事業規模を段階的に縮小していくことになるだろう。高度成長期にやってきたことの逆をやることになる。

 また、社員の側から見ると、市場が縮小していく中で組織の成長は止まり、キャリアアップのチャンスが失われることになる。例えていえば、高速道路の料金所の手前で渋滞が発生しているようなものだ。速い車も遅い車も一様に減速しながらやがて動かなくなる。こうした状況は組織の中に、不公平感や被害者意識を生み出し、規律を大きく損なうことにつながる。

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高野研一[コーン・フェリー・ヘイグループ 代表取締役社長]

たかの・けんいち/神戸大学経済学部、ロンドン・スクールズ・オブ・エコノミクス(MSc)、シカゴ大学ビジネススクール(MBA)卒。大手銀行でファンドマネジャーを経験した後、コンサルタントに転じ、マーサー・ジャパン取締役等などを経て現職。『超ロジカル思考』(日本経済新聞社)、『ビジネスリーダーの強化書』(日本経団連出版)、『勝ちグセで企業は強くなる』『グループ経営時代の人材マネジメント』(ともに東洋経済新報社)など著書多数。


ヘイ・グループのグローバル人事・組織革新

経営学者のジェームズ・アベグレンが、著書『日本の経営』の中で、日本企業の特徴として終身雇用、年功序列、企業内組合を挙げたのは1958年のことである。以来50年、功罪の判断はさておくとして、この「日本的経営システム」は今、様々な側面で制度疲労を起こしている。この制度疲労を改革するにはどうしたらよいか。今連載では、人事・組織に特化してコンサルティングを展開するヘイ・グループが、日本企業が共通に抱える人事・組織面での課題を4つ指摘し、具体的な解決へのアプローチを提言する。

「ヘイ・グループのグローバル人事・組織革新」

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