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山崎元のマネー経済の歩き方

個人が行動ファイナンスから学ぶ7カ条

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第253回】 2012年11月26日
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 「行動ファイナンス」という学問分野は、10年ほど前に、ダニエル・カーネマン氏がノーベル経済学賞を取ったこともあり、今では大変有名になった。

 行動ファイナンスが、投資家の側よりも、金融商品の売り手の側で体系的に応用(顧客側から見ると「悪用」といってもいい!)されていることは、筆者が本欄でも繰り返し書いている。しかし、この研究は本来、投資家の判断上の弱点を教えてくれる点で、投資家の側でも役に立つはずだ。

 今回は、個人投資家が行動ファイナンスから学ぶべき教訓を7カ条の心得にまとめてみた。

 その一、「自分も含めて、人間は間違うと知る」。損得の上で合理的な計算と、「こんな感じがする」という感情は、しばしば違った結論をもたらすが、人は多くの場合、後者に引きずられがちだし、自分の判断の価値を過大評価する傾向がある。例えば、運用者Aと運用者Bを比べると、一方が他方よりもいいと「感じる」かもしれないが、通常、アマにもプロにも、そのような判断力はない。

 その二、「気休めのために売買しない」。多くの投資家が、過剰な売買による手数料コストのおかげで運用パフォーマンスを悪化させていることが、繰り返し研究されている。株価の短期的な上下を当てようとする売買や、一度で済む売買を何度かに分けるような売買は、平均的にはうまくいかないし、あなたの場合ならうまくいく、という根拠はない。

 その三、「過去を将来に当てはめない」。例えば、過去の3年とか5年といった期間にもうかったからといって、そのアセットクラス(「国内株式」など)や銘柄、あるいは運用者などが、今後ももうけさせてくれるとはいえない。運用においては、過去のデータを直接将来に当てはめることが間違いになる場合が多い。しかし、人は、自分の経験を「法則」のように考えたがる傾向がある。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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