一番売れてる月刊マネー誌『ダイヤモンドZAi』が主催する全3回のオンライン講座「チャート入門」。1本のローソク足で判断できる特別な形や、株価の方向感を示すトレンドの読み方について、ザイ編集長の熊谷と編集部員の朝日が詳しく解説している。移動平均線の基本的な仕組みから、上昇トレンド・下落トレンドの見分け方、さらには練習問題の解説まで充実の内容。この記事では、その講座内容の一部をお届けする。(ダイヤモンド・ザイ編集部)

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⇒「ヒゲを見るのがクセになる」!?ゲーム感覚でわかる“株価上昇サイン”の探し方【チャート入門 第1回:その3】

たった1本で判断がつく
「特別なローソク足の形」とは?

なぜその形で株価が動く?「ローソク足」の特別なサインを徹底解説【チャート入門 第1回:その2】

ダイヤモンド・ザイ編集長 熊谷久美子(くまがい・くみこ) 2000年の『ダイヤモンドZAi』創刊時より参加。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 投資信託のワナ50&真実50』『新NISA入門』など単行本も担当。公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト。

 

 

なぜその形で株価が動く?「ローソク足」の特別なサインを徹底解説【チャート入門 第1回:その2】

ダイヤモンド・ザイ編集部員 朝日希新(あさひ・きあら) 早稲田大学卒業後、2017年にダイヤモンド社に入社。広告営業の部署を経て、18年よりダイヤモンド・ザイ編集部員に。「オルカン入門」「NISA株の学校」など投資初心者向けの特集を多く担当。

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ここまででローソク足の基本を押さえたので、より実践的な内容を学んでいきたいと思います。「ローソク足1本の特別な形」です。

まず「上昇のサイン」が2つありまして、1つ目が「大陽線」です。

no-img2 熊谷

陽線は始値から終値にかけて株価が上昇したということでしたよね。それに大がついてるわけなんで、めちゃくちゃ上がったってことなんですよ。

上昇の勢いがある、強気な投資家が買っていると読み取れて、このローソク足が出現したら上昇のサインと考えていいです。

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もう1つが「下ヒゲ陽線」。これはどういう値動きしたかというと、始値から一度下がったものの、それ以上に上昇して終わったということ。

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下ヒゲが長いと「すごく下がった」という印象があるかもしれないですが、実際には挽回力がすごいという意味合いが強いんです。

下ヒゲが長ければ長いほど、上昇力が強いというサインになります。もちろん大陽線の方が上昇力としては強いですが、下ヒゲが長いということが重要なので、これが例えば青色、つまり陰線であっても上昇のサインと考えることができます。

no-img2 朝日

次に「下落のサイン」ですね。大陽線の逆で、こちらは「大陰線」と呼びます。始値から大きく下がって終わったという形で、その間にヒゲもなく、とにかく下がって終わっているので、下落のサインと見られています。

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もう1つが「上ヒゲ陰線」ですね。先ほどの下ヒゲ陽線の逆で、始値から1回上がったものの、それ以上に売り圧力が強く、最終的には下がって終わったという形。上ヒゲが長ければ長いほど、下落のサインとして見られています。

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最後が「その他のサイン」です。これは上昇とも下落とも言いづらい形です。1つ目が「寄引十字線(よりひきじゅうじせん)」

十字になっているのが分かると思いますが、始値と終値が同じで、しかも上ヒゲと下ヒゲもほぼ同じ長さで高値と安値もつけています。どちらの方向に行こうか株価が迷って、結局同じ株価で終わったということです。

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綱引き状態ですね。株式投資初心者であれば、こういう時に株を買うのは避けた方がいい形です。

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もう1つが、「寄引同事線(よりひきどうじせん)」ですね。あまり出ない形ではありますが、これは高値も安値もつけず、始値と終値が全く同じ値段で終わったことを示しています。

こちらも強弱が拮抗しており、株価がつかない時にも出現しますし、売り買いの判断がしづらい形だと覚えておくといいと思います。

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この後は、チャートの要素の2つ目、「移動平均線」がどのようなものなのか、学んでいきます。

そもそも「トレンド」って何?
株価の方向感をつかむ3つのパターン

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パート2は「移動平均線でトレンドを確認!」ですね。そもそも「トレンドって何なんだ」ってことなんですが、株におけるトレンドとは「株価の方向感」のことです。

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株価がどこに向かっているかということですね。

トレンドには、3つの種類があります。1つ目が「上昇トレンド」、2つ目が「下落トレンド」、それから3つ目が「もみ合いトレンド」です。

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株価って、一直線に上がることはないですよね。上のスライドのように、基本的に上下しながら上がっていく。

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そうなんですよね。どんなに上昇してても、必ず途中で調整を挟んで上がってという動きを繰り返すので、大まかな流れを把握するのが大事です。それがトレンドを把握するということです。

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つまり、上下しながらも上に向かってるのが上昇トレンド、上下しながらも下に向かってるのが下落トレンド、上下しているものの大体同じ株価を行ったり来たりしてればもみ合いトレンド、と押さえてもらえれば大丈夫です。