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出口治明の提言:日本の優先順位

閣議の議事録公開は小さな一歩
それでも大きな変革への予感

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第70回】 2012年11月27日
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 民間企業の意思決定機関は株主総会や取締役会などであるが、通常は、反対意見を含めて正確な議事録が作られる。なぜなら、議事録がなければ、問題が生じた場合等に、どうしてそのような経営判断を行ったのか、後で検証ができないからだ。

 ところが、国の行政政策を最終的に意思決定する内閣の閣議については、実はこれまで議事録が作られてこなかったというから、驚きである。取締役会や株主総会の議事録がなければ、恐らく上場はできない。日本国は企業であれば、まだ上場できないレベルにあるのだ。

直接の契機は
東日本大震災

 今年の1月、政府の東日本大震災に関わる15の会議のうち、10の会議で議事録の類が、一切、作成されていなかったことが明らかになり、大きな社会問題となった。これを受けて、公文書管理委員会が聞き取り調査を実施し、震災や原発事故等の歴史的緊急事態に関わる会議について、議事録の作成や保存を義務付ける再発防止策を決定したが、行政の最高意思決定機関である閣議の議事録は、1885年の初閣議から、実は一度も作られていなかったことが判明したのである。

 閣議の議事録がなければ、どうなるか。勢い、当時の閣僚の記憶に頼るしか方法はなくなり、声の大きい閣僚の一方的な言い分が「歴史」として定着しかねない。これでは、そもそも正確な歴史の検証ができなくなってしまう。

 事態を重くみた政府は、今年の7月6日、内閣総理大臣の決裁により、公文書管理担当大臣と内閣官房長官を共同座長とする「閣議議事録等作成・公開制度検討チーム」(以下「検討チーム」という)を発足させた。検討チームは、弁護士や大学教授等、情報公開に詳しい外部の有識者を含めて、検討を行った結果、今年の10月24日、新しい制度を提案した。その概要は、概ね次の通りである。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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