先の記事では、生産性を下げるムダな会議の特徴について紹介した。筆者によれば、会議を効率的に進めるためには、「眼前可視化」という方法が有効だという。これを行えば、その後の仕事もスムーズになり、自分の評価も上がるそう。ビジネスマンに必須のスキル「眼前可視化」を元リクルート社員が解説する。※本稿は、菊池明光『とにかく可視化 仕事と会社を変えるノウハウ』(新潮新書、新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
会議で絶大な効果を発揮する
相手に見せながらメモを書く方法
リアルタイムに議論内容メモを書きながら、「それを相手に見せながら=眼前可視化」会議を進める方法です。身も蓋もなく、当たり前すぎて拍子抜けしてしまうかもしれませんが、会議を実りあるものとするには絶大な効果があり、唯一無二と言ってもよいノウハウです。ポイントは3つになります。
1:相手の眼前でリアルタイムに
2:書きながら
3:見せながら
よくあるパターンとして、自分の手元でメモを取っておき、後に自身で整理してから会議参加者に送付するというやり方があります。メモさえ取ればいいんでしょ?というスタンスなのですが、あくまでその場でリアルタイムに相手の眼前に「メモを見せながら」会議を進めることが重要なのです。
(1)眼前可視化の議論中のメリット
・議論内容が掴みやすくなるため=発言数アップ・発言内容の精度アップ
・話し合いたい話題を深く着実に消化
・同じ話題を繰り返さない=会議がスムーズに進行
相手と共通認識を持ちながら議論を進めることができる効果は非常に高いです。社内会議でももちろんメリットは大きいですが、社外の方との会議=営業の商談などでは特に効果を発揮することでしょう。
社内の皆さんは普段から価値観や考えをある程度共有している一方、社外の方、特に初対面の方などは相手とのバックグラウンドは全く違いますし、コミュニケーションの特性なども理解できていない状態。その中で情報交換を進め、相手を知り、議論を進行するのは手探りに近いところ、眼前可視化はこれをかなり容易にしてくれます。
(2)眼前可視化の議論後のメリット
・前回どこまで議論したのか振り返れる=議論をスムーズに再開可能
・毎回フレッシュな話題で会議を実施可能
・「言った・言わない」の撲滅=認識が擦り合った状態を継続
前回の議論をしっかりと踏まえた上で、今回の会議を進行できます。「言った・言わない」もなく、トラブルの心配もありません。ムダなくストレスもない状態を作れます。
営業シーンでは、「あなたの言っていることを大切にしています。今回の商談進行を極力スムーズにすることに尽力しています」とのメッセージにもなり、貴重な武器となるはずです。