ミーティング中のビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

会議はビジネスマンにつきもの。しかし、無駄な会議に多くの時間を費やし、他の業務が滞ってしまえば本末転倒だ。いかに効率的に、物事を決められる会議をするかが重要である。そんな「決められる会議」のコツを元リクルート社員が伝授する。※本稿は、菊池明光『とにかく可視化 仕事と会社を変えるノウハウ』(新潮新書、新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

人生の30%は会議の時間
経営層だと50%に?

 私たちホワイトカラーの仕事は、喋るかキーボードを打つかというアクションで構成されています。言葉を使った情報交換(会議・商談・電話・メール・チャット・資料など)のみで成立しているのです。基本的に、体や手を使って物理的な何かを生み出しているわけではないですよね?

 極論すれば、情報を交換したり編集したりしているだけなのです。情報交換屋、編集屋という側面をホワイトカラーの皆が持っているのです。したがって、成長とは情報交換や編集の能力を磨くことだ、とも言えます。

 そして、その情報交換・編集をリアルタイムに複数人で行うのが会議、ということになります。営業で言えば商談ですね。会議・商談が仕事や人生に占める割合はどのくらいなのでしょうか?ちょっと可視化してみたいと思います。

 人生で休日を除く労働日数を240日、睡眠を8時間と仮定すると、起きているのは年間3840時間。1日8時間労働なら1920時間。

 そのうち半分を会議に使うと960時間で、休日以外で眠っていない人生時間の25%を会議に投入していることになります。

 これ実は、デスクに座っての会話や雑談などの仕事における会話類は入れていません。

 例えば別のパターンでそれらを含めて会議時間シェア60%とすると、人生の30%が費やされている計算です。また、経営層の方で労働時間のほとんどが会議、もしくは毎日8時間以上、会議をしている人としましょう。

 そうしますと、人生の50%を会議に投下しているという計算になります。土日祝日も何かしら会議や電話をしていたとすると、当然もっと多くなります。私の顧客企業のある社長は土日祝日関係なく、恐らく前述の経営層よりも遥かに多くの会議をしているようなので、人生の会議シェアは80%を超えているかと思われます。

 ここまでのレベルはなかなかないにしても、会議にあてる時間の生産性が低いと、人生にダメージ、あるいはリスクを与えてしまう可能性さえあるわけです。

 加えて、もし眼前可視化(編集部注:リアルタイムで議論内容メモを書き、それを相手に見せながら行う方法)せずに議論した内容やその背景、結論などが錯綜しているとすれば、貴重な時間を粗末にしていると言えるかもしれません。