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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

ハイアール販売前線で見た
サービス業への変身の試み

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第132回】 2012年11月29日
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 先週、このコラムで、ハイアールのCEO張瑞敏氏が、家電製品メーカーである同社を製造業からサービス業に変えようと考えたことを披露した。たしかに、工場内を歩き回ると、そのような趣旨を書いたスローガンも見られる。しかし、製造業からサービスへ変身するには、大きな隔たりがあり、飛び越えなければならない壁も結構ある。ハイアールは一体どのようなの道を歩んでいるのか。その実態を知りたい。そのため、私は販売最前線を回ることにした。

間取りを見ながら
最適な商品を提案

 私が訪問したのは、青島市の東にあるハイアールの専売店である。普段、「東城社区店」と呼ばれる。“社区”とはコミュニティのことだ。現在、都市開発が進む中国の都市部では、集合住宅が集まる一角、つまり日本流に言う団地を指す場合も結構ある。この東城社区店は、まさに高層住宅が林立する地域の一角にある。

 店内に入ってまず目をひかれたのは、数台の液晶テレビの前に、お客さんとの相談用に設けられた数脚のテーブルだ。そこは相談コーナーだ。新しくできた団地なので、新居用の家電を買うために下見に来るお客さんが結構いる。

お客さんの相談を受けるコーナー

 相談コーナーでは、お客さんが来ると、まずお客さんの住所を確認する。その住所をパソコンに入力すると、お客さんの新居の平面図が出てくる。その新居の間取りやサイズに合わせた商品提案ができる。内装がまだのお客さんには、内装の提案もする。床や壁紙の材質・色、さらに家具などに合わせて、より精度の高い商品提案をする。テレビ画面には、提案された立体図の画面が写る。お客さんはそこで判断する。それでもサイズなどに不安を覚えるお客さんには、自宅まで同行して実寸を測って作業する。

 実は、この相談サービスはクラウドコンピューティングの技術を活用している。店頭のパソコンには周辺の新築マンションのレイアウト図だけではなく、市内の各地のマンション情報も入っている。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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