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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

「製造業からサービス業に」を唱える
ハイアール張瑞敏CEOの真意とは

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第131回】 2012年11月22日
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 今度のハイアール取材のため、私は以前の取材記録を読みなおしてみた。2000年までの1990年代をハイアールの中国国内台頭期とすれば、2001年からの10年間はハイアールの海外進出期と見ることができる。

海外戦略は新ステージに

 2011年、ハイアールは、旧三洋電機の日本における洗濯機、家庭用冷蔵庫事業、およびインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムの4ヵ国で展開する家電販売事業を買収した。その意味では、今年、つまり2012年から始まる新しい10年間は、おそらくハイアールの新しい海外戦略の展開期になるだろうと見てもいいのでは、と私は思っている。

 ハイアールに対する私のこれまでの取材は、ちょうどハイアールの中国国内台頭期後半と海外進出期の前期に集中していた。前回のコラムの中でも紹介したが、2002年にハイアールに対する取材を終えて日本に帰ろうとしたとき、同社の関係者から「次回はいつ来られるのか」と聞かれ、「ハイアールが次のステップに進んだとき、また取材に来る」と私は約束した。

ハイアール社内展示会:海外市場戦略の3ステップを表現

 今回ハイアールの取材に踏み切った理由もまさにそこにあった。旧三洋電機の白物家電事業を買収し、新しい海外戦略の展開に舵を切り替えたことは、私の目には、ハイアールが次のステップに進んだシンボル的な出来事として映った。ハイアールの本社を訪問したとき、そこに貼られたハイアールの海外市場に対する3ステップ戦略を示す階段図に思わず目を見張った。

 2001年、中国がWTOに加盟した。それを受けて、ハイアールはまず「走出去」つまり海外進出に果敢に踏み出した。2011年までは、おそらく「走進去」戦略時代、つまり海外市場へ殴り込みをかけ、その一員になることを目指していた時代だったと言えよう。

 海外市場に足場ができた今は、目指す次の目標がさらにレベルの高いものとなった。つまり海外市場での主役になりたいというのだ。ハイアールの表現を借りれば、「海外の消費者に本当に愛されるブランドになる」ということである。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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