航空券販売代理店がコロナ禍でも生き残れた理由、見極めた仕事の「幸福度」とは写真はイメージです Photo:PIXTA

航空券販売代理店でチケットを取ってトラブルに…

 10月25日から、東京都など首都圏4都県と大阪府は、飲食店への営業時間短縮の要請を解除した。東京や大阪にとっては、約11カ月ぶりの通常営業の再開。もともと慢性的な人手不足状態にある飲食業は、一気に従業員の出勤シフトが厳しくなった。

 私が顧問を務めるレストラングループでも、繁忙期を乗り越えるため、11月末に中国に一時帰国する予定の従業員に、帰省期間変更の協力を求めた。

 その従業員も会社の人手不足事情を理解し、すでに購入した航空券をキャンセルしようと航空券販売代理店に交渉した。しかし、5万円ものキャンセル代がかかると言われた。あまりの高額に驚いた従業員は事情を会社に説明し、帰省を予定通りにしようと思った。

 会社側がその対応に困っていたのを見かねた私は、航空会社と交渉して、出発日の変更で問題を一応解決した。

 しかし、航空会社本社の旅客部門担当責任者が話した言葉が気になっている。

「もし、うちの販売店か弊社のサイトで直接購入した航空券なら、そんなご心配は要りません。しかし、代理店からご購入された場合は、相手は私どもの指示では動いてくれません」

 航空業界はもっとも早くインターネットが活用されている業界と言ってもいい。私も考えてみれば、ここ20年、航空券販売代理店から航空券を購入した回数がわずか数回しかない。

 なぜ、そのレストラングループの従業員が代理店を使って航空券を予約するのか、インターネットビジネス全盛時代のいま、航空券販売代理店の存在価値はどこにあるのか、果たして生き残れるのだろうか。四半世紀前に記事に取り上げたことのある航空券販売代理店を取材した。