ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
スマートフォンの理想と現実

このままでは“非モテ”になりかねない!?
ケータイ事業者が抱えるアイデンティティの悩み

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第38回】 2012年11月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 自分の職業や専門分野を表現する方法の1つに、「○○屋」という言い方がある。

 鉄道会社や車両製造などに携わる人であれば「鉄道屋」だし、自動車産業関連であれば「自動車屋」である。あるいは数学屋や物理屋といえば、その筋の専門家のことである。

 この言い方、自分の職業や専門分野を、自称するときに使うことが多いように思う。へりくだった言い方であるとも言えるし、一方でプライドや自負を感じさせるともいえる。

 では果たして、通信事業者や、通信産業に携わる人は、自分たちのことを「通信屋」と言えるのか。あるいは反対に「通信屋」といった場合、どこまでがその範疇に含まれるのか。

 このところ、通信産業や通信政策に関する将来像を考える機会が増えたこともあり、そんな漠然とした課題が、頭から離れずにいる。これはつまり、アイデンティティの問題に、他ならないからだ。

土管屋は「非モテ」なのか?

 少し前に、「ソフトバンクによるスプリント買収は業界地図をどう変えるのか」(主催:WirelessWire News)というクローズドセッションに登壇したときのこと。議論は今後の通信分野の産業構造に関する話題となり、その中で自ずと「土管化」というキーワードが登場した。

http://wirelesswire.jp/From_Editors/201211021255.html

 この「土管化」という言葉、それ自体もいろいろな解釈が存在するが、大雑把に約すると、通信事業者が音声やデータの伝送を生業としている状態を指す。土管(の中にある回線)に関する事業に事業を集中させるから、土管化ということだ。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント
facebookもチェック

クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

「スマートフォンの理想と現実」

⇒バックナンバー一覧