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スマートフォンの理想と現実

「スマホって一体何が楽しいの?」
ガラケー利用者の純粋な疑問からひも解く
スマートフォン革命の正体

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第2回】 2011年7月13日
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スマートフォンって楽しいの?

 スマートフォンが売れている。6月20日~26日の販売ランキングでは、上位10位のうち7位までがスマートフォンだった(GfK Japan調べ)。すでにここ数週間はこうした傾向にあり、各社とも出荷の中心はスマートフォンにシフトした格好だ。

 なにしろ、NTTドコモは今年度中に600万台、KDDIは400万台のスマートフォンを販売する計画である。一時は東日本大震災による生産への影響も心配されたが、海外ベンダーからの調達積み増しもあり、達成可能と見込んでいるようである。

 両社いずれも、年間出荷台数の半数近くの数字である。今後はさらにラインナップを拡充させることになろう。そして、ケータイの買い替えサイクルを2年強と勘案すれば、あと3-4年もすれば市場の大半がスマートフォンで占められることになる。

 ところで最近、こんな質問を耳にすることが、増えてきた。

 「スマートフォンって、一体何が楽しいの?」

 スマートフォンの拡大に水を差したいのではない。むしろこれは、本格的な普及期を迎えたサインだと見るべきだろう。アーリーアダプター(初期採用者)からマジョリティ(追随者)へ、キャズム(溝)を超えて市場が動きつつあるということだ。

 何の気なしに量販店に出かけたら、一番安いケータイはスマートフォンだった。しかしこれまで自分が知っていた世界とはまったく別物のように見える。さてこれは一体何だろう――。従来のフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)利用者によって発せられたそんな声が、市場の広がりと共に、目立つようになってきたのである。

スマートフォンとパソコンの類似性

 すでにスマートフォンを使いこなしている人からすれば、何を戸惑っているのかが分からないかもしれない。実際iPhone登場時には、戸惑いよりも歓迎の声の方が大きかったはずだ。一体この違いはどこから来るのだろうか。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

「スマートフォンの理想と現実」

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