しかし一方で、「スカートめくり」や修学旅行の「風呂のぞき」といった行為について、「子どものいたずらだから、それぐらいは」とされてきた歴史は長い。上の世代に多いこのような価値観を変えるには、もう少し時間がかかるのかもしれない。

 少し古い話になるが、2015年にある男性の国会議員が、子どもの頃の思い出として「女性教師をトイレに閉じ込め、爆竹を投げ込んで快感だった」といった内容をつづっていたことが批判を浴びた。

 このとき、この議員の秘書がメディアからの取材に対して「少年時代は、たいがいの男の子がスカートめくりをしたことがあると思います。そのような事実を書いただけで、深い意味があるわけではないです」と説明。火に油を注いだ。

 最近では、4人組歌手「純烈」のメンバーが、舞台公演中に共演していた女性の尻を触る動画がツイッター上で拡散され、問題になった。

 特撮ヒーローの格好をした女性が、他のことに気を取られているうちに尻を触り、その行動で客席からの笑いを取る、という演出だった。このような演出も性的同意に照らせば完全にアウトだが、一部ではまだ「面白いネタ」として続けられてしまっている。

 人の体に勝手に触る、だまして触る…。そのような行為で傷ついてきた人がいることや、被害を訴えても「そのぐらい我慢しなさい」と言われてきた過去があることを考えれば、スカートめくりを「ネタ」にする風潮には、NOが突きつけられて当然だろう。

 感覚のジェネレーションギャップ、あるいは個人差については、なかなか埋まるものではないのかもしれないが、心ある大人が変えていく必要があるはずだ。