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空気の力で製品の“漏れ”を検出する精巧な技術力
コスモ計器

森野 進 [経済ジャーナリスト]
【第10回】 2009年9月8日
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1970年に国内で最初に実用化

 コスモ計器は、肉眼ではわからない製品の欠陥を空気の力で見つけるエアリークテスター(漏れ検査用計測器)で国内約6割のシェアを占める。

 エアリークテスターは、漏れのない基準品と検査対象物を並べ、同じように空気を加圧または減圧し、基準品との圧力差を調べる計測器。検査対象物の値が基準品と同じならば良品、製品内部の漏れによって差が生じれば不良品と即座に判定できる。いまや自動車のエンジンブロックやガス器具の生産ラインには欠かせない存在であり、衛生陶器のひび割れなどの検査にも使われている。

 この計測器が存在しない時代の製品漏れ検査は、自転車のパンク修理と同じように、検査対象物に空気を封入し、水没させて目視で気泡をチェックしていた。しかしこの方法だと、漏れの箇所が小さく気泡の発生が少ないと見落としてしまう。また、検査対象物が水浸しになり、後で乾燥処理が必要になるなど、検査工程を自動化できない問題があった。

 そこで、これに代わる方法として開発されたのがエアリークテスターである。検査物を工場やオフィスなどの普通の空間で検査でき、自動化も可能だ。

 エアリークテスターの理論や概念は古くから知られていたが、1970年に同社が実用化したのが国内では最初。創業者の古瀬清氏(古瀬智之現社長の実父)が、微量な圧力を検出できる精巧なセンサー(差圧センサー)を開発し、それをベースに計測器を作り上げた。

販売よりもサービスに
重点を置くのはなぜか

 エアリークテスターは操作そのものは簡単だが、現場で微量の圧力変化を正確にとらえるためには、それなりのノウハウが必要だ。そこで、同社では販売よりもサービスに重点を置く。全社員の6割を営業・サービスなどのフィールド(客先向け)要員とし、テスターの最適な設置方法やデータのとり方などのアドバイスをはじめ、徹底したビフォア・アフターサービスの提供に努めている。

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森野進 [経済ジャーナリスト]

日刊工業新聞社の記者、雑誌編集者を経て独立。中堅・中小企業の取材をライフワークとして活躍。著書に『女性発明家の着想に学ぶ』(発明協会)、『未公開ITベンチャーの躍動』(共著・オーム社)、『明日のものづくり』(共著・日経BP社)などがある。


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