24時間勤務で日給8000円のときも
異様な職場で働く漫画家アシスタント

漫画家アシスタントの田中綾乃さん(仮名)

 漫画家はいくつもの雑誌に連載などを持つようになり、仕事が忙しくなると、アシスタントを雇う。今回登場してくれる田中綾乃さん(仮名・30歳)は、専門学校に在籍していた20歳の頃からアシスタントを始め、そのキャリアは約10年になる。

 フリーランスとして働くだけに、収入は不安定になりがちだ。月収は多いときで30万円ほど、少ない場合は7~8万円という。アシスタントとしての年収では、300万円を超えたことは1度もなく、150万円以下のときもある。

「漫画家として自分の作品も描くけれど、“売れる”というレベルには達していない。漫画家としての年収は、30万円に満たないくらい。だから、アシストタントを続けている」

 これまでに、メインのアシスタントとして仕えた漫画家は2~3人。トップバッターの“女性の先生”は売れっ子で、当時30代半ばぐらいだった。

 まだ学生だった田中さんが仕事場に行くと、異様な雰囲気に包まれていることもしばしばだったという。

「先生(漫画家)とアシスタントが喧嘩し、職場には誰もいない。先生は、甲高い声で『わ~っ!』とヒステリックに周囲に当たるタイプだった」

 通常、雇用主である漫画家がアシスタントの収入を決める。田中さんには、「働けば働くほど本来もらえる額の収入が減る賃金体系」に思えたという。

「1日24時間勤務で8000円だった。締め切りの前は、徹夜になることが多い。月収では12万円ほど。先生は甲高い声で『お仕事の日数をたくさんあげるから、日給の額は下げるわね~~~!』とおっしゃっていた……」

 この女性漫画家は売れっ子だけに仕事は多く、メインのアシスタントが4~5人いた。だが、次々に辞めていく。アシスタントとの口論は絶えなかった。男性のアシスタントが怒りのあまり、部屋に鍵をかけて立て籠もることもあった。田中さんも幾度も叱られた。