生まれつき決まっている脳細胞の数が「難易度の高い運動」で増える?スポーツで脳細胞の数が増えると言われるのは、どんなメカニズムによるものか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

企業による新規事業創出や個人によるクラウドファンディングなど、新たなチャレンジングが近年、活発だ。不安が少なく安定した「コンフォートゾーン」から抜け出し、新しいステージに飛び出すのは勇気がいることだろうが、やり慣れた仕事、居心地のいい環境では得ることのできない“成果”を掴み取ることも可能だ。コンフォートゾーンから抜け出すと新たな成長段階へと進むことができるのは、ビジネスだけではなくスポーツでも同様らしい。書籍『Life Kinetik(R) 脳が活性化する世界最先端の方法』(ホルスト・ルッツ著/ダイヤモンド社)を参考に、チャレンジに伴う脳の活性化について紐解く。(取材・文/鈴木 舞)

コンフォートゾーンから脱け出し
自分を成長させるには

「スポーツなどの身体活動でより難しい課題に挑戦するほど、脳細胞の数が増えたり、増えた数を維持できる可能性が高くなったりすると報告している」(『Life Kinetik(R) 脳が活性化する世界最先端の方法』より)

 これはあくまでマウスの実験による報告結果だが、人間の脳でもこうした変化が起きることが期待されている。脳細胞の数が増えるメリットは、身体が知覚した情報の処理能力が向上することだ。記憶力や思考力、判断力が高まるため、新しい物事に関する学習・吸収がはかどることが推測される。

 従来は、脳細胞の数は生まれたときに決定され、以降は増えることがないと考えられていた。しかし研究が進むにつれ、後天的に脳細胞が増えることも解明されてきている。その条件のひとつが、難しい課題へのチャレンジではないかと研究では考えられているというわけだ。