検査の無料期間が延長されて
期間を区切らず「当面の間」に

 制度の運用開始当初は感染状況が落ち着いていたため、(1)の健康上の理由でワクチンを接種できない人を対象とする無料検査から始まった。

 だが、21年12月後半に入ると、徐々に感染が拡大してきたため、都道府県知事の判断で、(2)の感染の不安がある人すべてに対する無料検査も始まった。

(2)の無料検査を受けられるのは、「感染の不安がある」「発熱などの症状がない」「濃厚接触者ではない」という、すべての要件を満たす人だ。あくまでも「症状のない人」なので、新型コロナウイルス感染症を疑う症状がある人は、これまで通り、最寄りの医療機関で検査を受けることになっている。

 無症状の人の検査場所は、住所地にある薬局や民間検査機関などで、都道府県のホームページなどで発表されている。事前にネットや電話で予約を取ったうえで、会場に出向いて検査を受ける。

 対象期間は、当初は1月末までとしていたところが多かったが、オミクロン株による感染拡大を受け、ここにきて、延長が発表されている。今後の無料期間は都道府県によって異なるが、期間を区切らずに「当面の間」としているところが多い。「2月末まで」など期日を決めている自治体もあるが、感染が下火にならない場合は延長される可能性が高いので、ホームページなどで更新される情報を確認したい。

 また、(1)の無料検査事業は、当初は、健康上の理由でワクチン接種ができない人が対象だったが、1月末から、ワクチンを接種済みの人も対象になった。

 このように、検査を受ける場所は、「症状のある人は医療機関など」「症状のない人は薬局などの無料検査場」と異なるものの、現状では、希望する人は誰でも、PCR検査や抗原検査が受けられるようになっている。

 検査を受けてウイルスが検出されなくても、PCR検査も抗原検査も、100%の陰性を証明するものではない。だが、その後の行動を決める際の判断材料にはなるので、人と接する機会の多い人などは無料検査を上手に利用したい。

 ただし、爆発的な感染拡大を受けて、全国的にPCR検査機関が逼迫(ひっぱく)し、抗原検査キットの在庫不足が始まっている。国は、症状のある人が受ける医療機関などでの検査を優先するように通知しており、希望してもすぐに無料検査を受けられないこともある。無症状の人で検査を希望する場合は、自治体のホームページなどで予約状況などを確認してから出かけるようにしたい。

 とはいえ、検査を受ければ、新型コロナウイルス感染症に感染しないわけではない。感染を避けるためには、感染しないような行動を取るしかない。そのために個人ができることは、こまめな手洗いやアルコール消毒、マスクの着用、密を避けるといった、基本的な感染対策を徹底することだ。感染爆発が起きている今、感染予防の基本に立ち返り、なんとか第6波を乗り越えたい。