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強い会社の「儲けの公式」  あのビジネスは、なぜ成功しているのか?
【最終回】 2012年12月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
村井直志 [公認会計士村井直志事務所・代表]

青山フラワーマーケットは、なぜ市価の半額で
花を売っても儲かるのか~後編~

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縮小する花卉(かき)市場で、目覚しい躍進を遂げている青山フラワーマーケット。市価の花屋さんよりも格段に安い値段、そして、かわいいグラスブーケがそろっていて毎日気軽に買ってもらえるような演出が成功しているといえるのですが、実はこれはマーケティングの視点よりも、会計的な視点でみた方が成功理由が簡単にわかります。そう、この成功は「固定費」「ロス率」の削減から導き出された必然的なものだったのです!今回は後編です。

花屋の「儲け」は
「在庫ロス」をどれだけ下げられるか

前編は「小さなお店」と「胡蝶蘭などを取り扱わない」ことで固定費を下げるという儲けのしくみを説明しました。連載後編は「在庫ロス」について考えてみます。

 そもそも生花店というのは、廃棄率がとても高いものです。一般的な花屋のロス率は、採用した30%程度が普通で、その分、単価が高くなっています。

 青山フラワーマーケットはそのロス率が非常に低いのですが、その秘密の1つが「ブーケ」です。花をちょっとでも知っている人ならばわかると思いますが、日にちが経った切り花は、水揚げという作業により蘇(よみがえ)ります。  

 水揚げとは、茎を切って花の先端まで水を行き渡らせる作業です。しかし、切り花にとって大事な茎は物理的に短くなってしまいます。そこで、この茎の短くなった切り花を廃棄するのではなく、フラワーアレンジをしてブーケを作るのです。

 青山フラワーマーケットの売りのひとつに、ブーケになった花が店先を飾っています。実はこれ、在庫ロスを最小限に抑える工夫のひとつなのです。

 茎が短くても、グラスに挿せばちょうどいい長さです。これらのブーケはグラスブーケというそうですが、コップに水を入れテーブルに置けば、いつもの部屋があっという間に明るくなる、お客様にとっても面倒がないという利点もあるのです。

 そして、この点、会計的に考えれば、在庫ロスがないことでロスを見込んだ売価設定をせずに済む利点があります。

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村井直志 [公認会計士村井直志事務所・代表]

公認会計士村井直志事務所・代表(公認会計士。経済産業省・中小企業庁認定経営革新等支援機関。日本公認会計士協会、公会計協議会、地方公共団体会計・監査部会員)。
中央大学商学部会計学科卒。税務事務所、大手監査法人、コンサルファーム、東証上場会社役員などを経て、公認会計士村井直志事務所を開設。日本公認会計士協会東京会コンピュータ委員長、経営・税務・業務各委員会委員など歴任。 2013年日本公認会計士協会研究大会に、研究テーマ『CAAT(コンピュータ利用監査技法)で不正会計に対処する、エクセルを用いた異常点監査技法』で選抜。
ビジネスにまつわる「数字」を分かりやすく伝承するアカウンティング・キュレーターとして、経営コンサルティング・監査・不正調査のほか、セミナー・執筆などを行う。
著書に、『Excelによる不正発見法 CAATで粉飾・横領はこう見抜く』(中央経済社)、『強い会社の「儲けの公式」』(ダイヤモンド社)、『会計ドレッシング10episodes』、『会計直観力を鍛える』(以上、東洋経済新報社)他がある。

 


強い会社の「儲けの公式」 あのビジネスは、なぜ成功しているのか?

この不況の中でも儲かっているビジネスはあります。「こんなことをしたら、赤字だろう」「常識的に考え、無理だろう」一見するとそう思われるビジネスが、成功していたりします。しかし、実はこれ、会計的視点でみると「なるほど、そういうカラクリなのか!」と合点がいくものばかりなのです。本連載では、書籍『強い会社の「儲けの公式」』から要点をピックアップ。数字から経営やビジネス展開を読み解く第1歩になるはずです。

「強い会社の「儲けの公式」 あのビジネスは、なぜ成功しているのか?」

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