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強い会社の「儲けの公式」  あのビジネスは、なぜ成功しているのか?
【第3回】 2012年12月19日
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村井直志 [公認会計士村井直志事務所・代表]

青山フラワーマーケットは、なぜ市価の半額で
花を売っても儲かるのか~前編~

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日本国内の花卉(かき)需要はピーク時の97年が6800億円であったのに対し、07年には5400億円にまで市場規模が収縮。わずか、10年で2割もの需要減少、いわゆる衰退産業です。

しかし、この業界で目覚しい躍進を遂げているのが、青山フラワーマーケットを展開する「パーク・コーポレーション」。売上高は年々増え続け、ここ十年余で52億円強(2011年)となっています。社長はニューヨークの会計事務所に勤めていた会計士。彼がどうやって儲けを出しているのか、その公式を分析してみましょう。今回は前編です。

アメリカ帰りの会計士が社長を務める
花屋の「儲けの戦略」

 ビジネスである限り、AKB48のようなアイドルであろうと、安全第一主義のJALであろうと、顧客の側に立って売上高や利益を愚直に考える必要があります。

 JALの稲盛氏がつねづね口にしている「売上を最大に、経費を最小に」というのを数式で表現するとこうなります。

利益= 売上高 ― 経費(コスト)― 損失(ロス)

 会計を知らない人でも、この理屈はわかるでしょう。「売上高」に代表される収益から、さまざまな「経費(コスト)」や、不可避的に発生する「損失(ロス)」、これらを差し引くことで、「利益」が残ります。

 こういったことを意識して、利益創出戦略を実践しているのが、青山フラワーマーケット(運営会社名、パーク・コーポレーション)という花屋さんです。この会社の社長、井上英明氏の対談記事(※1)などを参考に、今回は「利益」についての考え方を紐解いてみたいと思います。

 さて、農林水産省の統計データによれば、国内花卉(かき)需要はピーク時の97年が6800億円であったのに対し、07年には5400億円にまで市場規模が収縮しています。わずか、10年で2割もの需要減少、いわゆる衰退産業です。

 こうした中、街の花屋を尻目に青山フラワーマーケットは駅中を中心に躍進しています。00年に14店だった店舗数は11年には77店、売上高もここ十年余で8倍強の52億円余(11年)です。

 井上社長は、大学卒業後ニューヨークの会計事務所へ就職、その後帰国して起業という経歴で、もともと数字を知り尽くしています。彼が率いる駅中花屋のこの快進撃の秘密は、「人財育成」と「ロス低減」にあります。人材育成の部分は拙著を読んでいただくとして、この連載では利益を挙げるのに必要な、この「損失(ロス)の低減」をいかにうまく取り入れて、儲けを出しているかを分析してみたいと思います。

(※1)
佐々木かをりのwinwin対談
あすか会議レポート2009

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村井直志 [公認会計士村井直志事務所・代表]

公認会計士村井直志事務所・代表(公認会計士。経済産業省・中小企業庁認定経営革新等支援機関。日本公認会計士協会、公会計協議会、地方公共団体会計・監査部会員)。
中央大学商学部会計学科卒。税務事務所、大手監査法人、コンサルファーム、東証上場会社役員などを経て、公認会計士村井直志事務所を開設。日本公認会計士協会東京会コンピュータ委員長、経営・税務・業務各委員会委員など歴任。 2013年日本公認会計士協会研究大会に、研究テーマ『CAAT(コンピュータ利用監査技法)で不正会計に対処する、エクセルを用いた異常点監査技法』で選抜。
ビジネスにまつわる「数字」を分かりやすく伝承するアカウンティング・キュレーターとして、経営コンサルティング・監査・不正調査のほか、セミナー・執筆などを行う。
著書に、『Excelによる不正発見法 CAATで粉飾・横領はこう見抜く』(中央経済社)、『強い会社の「儲けの公式」』(ダイヤモンド社)、『会計ドレッシング10episodes』、『会計直観力を鍛える』(以上、東洋経済新報社)他がある。

 


強い会社の「儲けの公式」 あのビジネスは、なぜ成功しているのか?

この不況の中でも儲かっているビジネスはあります。「こんなことをしたら、赤字だろう」「常識的に考え、無理だろう」一見するとそう思われるビジネスが、成功していたりします。しかし、実はこれ、会計的視点でみると「なるほど、そういうカラクリなのか!」と合点がいくものばかりなのです。本連載では、書籍『強い会社の「儲けの公式」』から要点をピックアップ。数字から経営やビジネス展開を読み解く第1歩になるはずです。

「強い会社の「儲けの公式」 あのビジネスは、なぜ成功しているのか?」

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