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田中秀征 政権ウォッチ

財政出動効果は年内にも剥落か?
民主党に求められる即効性ある経済政策

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第10回】 2009年11月12日
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「年末までに成長戦略策定」と
意向を一転した菅氏の思惑

 私は前回本欄で、菅直人副総理の「あえて半年間、足元の景気を見る」という発言に疑問を投げかけた。

 その後菅氏は、一転して「年末までに成長戦略を策定する」意向を表明した。これを私は大いに歓迎している。

 願わくば、政権発足直後の9月中に着手していれば、より本格的な作業が可能であっただろうと惜しまれる。

 それにしても、今年中にまとめることは時間的に至難の業だ。

 そこで考えられるのは二段階作戦だ。

 すなわち、年内に経済計画の骨子をまとめて閣議決定する。「中・長期の経済運営の基本方針」とすればよい。

 その基本方針を枠組みとして、年明けから本格的な経済五ヶ年計画の策定に取り組む。経済審議会に諮問してもよいし、菅氏直属の専門家集団を編成して作成する方法もある。

 国民的理解や協力を得るためには、中間報告を待たずに、すべての議論を直ちに公開し、新政権の経済政策に対する関心の高さを示すことも有意義だ。

 素案の作成を全面的に事務局(官僚)に任せると、各省との調整を経て、内容も方向性もあいまいになるだろう。だから、年内に政治主導で基本方針を決めれば、計画策定の軌道を敷くことができる。

 菅氏は、「環境」「雇用」「子育て」「景気」の『4K』を柱とするという。中・長期の経済計画だからそれでも肯ける。

 菅氏が年内にこだわるのは予算編成の歳入見積もりの前提となる「来年度の経済見通し」との関連を念頭に置いてのことだろう。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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