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ヘイ グループのイノベーションを起こす組織

イノベーションを生み出す組織とは(下)
「ネットワーク」、「寛容さ」、「遊びの存在」

山口 周 [ヘイ コンサルティング グループ プリンシパル]
【第3回】 2013年1月7日
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前回は「イノベーションを起こせる組織」に見られる特徴として「リーダーシップスタイル」、「人材の多様性」、「上下間の風通しの良さ」について述べた。今回は「ネットワーク密度の高さ」、「失敗に寛容な文化」、「組織における遊びの存在」について述べてみたいと思う。

4.ネットワーク密度の高さ

 イノベーティブな企業に観察される特徴として、「社内外に広く濃いネットワークが形成されている」という点が指摘できる。平たく言えば、異なる部門や社外であっても、様々な情報交換が行われている、ということだ。

 しかし、なぜイノベーティブな企業では、広く濃いネットワークが形成されているケースが多いのだろうか?これはイノベーションの目利きに関連する問題である。イノベーションの目利きとはつまり、アイデアの萌芽を見せられた時、そのアイデアの持っている可能性をどれくらい正確に見抜けるかという「眼力」のことである。

 一般に、多くの管理職や経営者は「素晴らしいアイデアを見れば、誰だってすぐにその素晴らしさを理解できる」と考える傾向があるが、過去の歴史をひも解くかぎり「イノベーションの目利き」は、ほとんど不可能と言えるくらいに難しい、というのが真実である。

天才エジソンも大いに悩んだ

 例えば今日の音楽産業の礎となる蓄音器を発明したのはトーマスエジソンだが、エジソンは、蓄音器の用途を以下の様に想定していた。

①速記者を必要としないで手紙を書く、または口述筆記する
②目の不自由な人のための音の本にする
③話し方の教育に用いる
④音楽を録音、再生する
⑤家族の記録として、家庭の肉声や遺言を録音する
⑥オルゴールや玩具にする
⑦帰宅時間や食事時間を教える事が出来る
⑧発音を正確に録音するので保存出来る
⑨教師の講義を録音し、ノート代わりとして単語の記憶用として使う
⑩電話機を組み合わせ、通話を永久保存する

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山口 周 [ヘイ コンサルティング グループ プリンシパル]

やまぐち しゅう/電通、ボストン コンサルティング グループ、A.T.カーニー等を経て、2011年より現職。慶応義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科前期博士課程修了。消費財、メディア、流通、情報通信等の業界に対し、事業戦略策定、人材活性化、イノベーション促進等のテーマでのコンサルティング経験が豊富。著書に『グーグルに勝つ広告モデル』(光文社新書)『天職は寝て待て』(光文社新書)。


ヘイ グループのイノベーションを起こす組織

日本企業におけるイノベーションの停滞が嘆かれて久しい。一般に、イノベーションの停滞はマーケティング、あるいは研究開発にその責が帰せらることが多いが、我々ヘイグループは、組織あるいはリーダーシップのあり様にこそ、その真因があると考えている。この連載では、ヘイグループが世界中で展開している組織アセスメントのデータを用いながら「イノベーションを起こせる組織」と「イノベーションを起こせない組織」では何が異なるのか?「イノベーションを起こせる組織」を構築するためには、何が必要なのかを明らかにしたい。

「ヘイ グループのイノベーションを起こす組織」

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