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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の29 ドラッカーのイノベーション
いかにして新しい価値を創造するか

江上 剛 [作家]
【第29回】 2012年11月20日
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 来年(2014年)のキーワードは何かと雑誌社から問われた。もうそんな時期だ。なかなかいい言葉が思い浮かばなかったが、私がいつも繰り返し使っている言葉を伝えた。

 それは「イノベーション」だ。月並みな言葉だ。だれでも使う言葉だ。

 広辞苑によると「①刷新、新機軸②生産技術の革新だけでなく、新商品の導入、新市場・新資源の開拓、新しい経営組織の実施などを含む概念。シュンペーターが用いた。日本では技術革新という狭い意味に用いることが多い」とある。

 私は、イノベーションを「新しい価値の創造」という意味で使っている。日本の現状を見ると、あらゆる場面で新しい価値を創造していかねばならないという危機感を持っている。

 日刊ゲンダイという夕刊紙で「敗れざる者たち」というタイトルで富士フイルムをモデルにした小説を連載しているが、この会社に興味を抱いたのもイノベーションだ。

 フイルムの売り上げが劇的になくなるという危機に直面した富士フイルムは、否応無しにイノベーションを起こさねばならなくなった。それが化粧品だった。そのギャップが面白くて小説にしようと決めた。

 富士フイルムが今後とも化粧品で成功を収めるかどうかはわからない。しかし、自分の強みを生かす形で新しい価値を創造していかない限り、企業は生き延びることはできない。

 それだけは事実だ。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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