SDGsの目標は
「エコ」な活動に限らない

目標1 貧困をなくそう
「なんだ、いきなり日本とは関係なさそうなゴールから始まるんだな」と思ったら、それは誤解です。一つ一つの目標は、それぞれの国の置かれた環境に応じてさらに七つぐらいのターゲットに細分化されています。

 たとえばその細目の一つには、「各国において貧困と定義される人口を2030年までに半減させる」とあります。日本の場合、この先、むしろ貧困層は拡大しそうです。国連の目標を達成するには労働者への分配にもっともっと力を入れなければ、日本社会は持続的とはいえません。

 もう一つ、「2030年までに1日1.25ドル未満で生活する人々と定義される極度の貧困をあらゆる場所で終わらせよう」という目標達成には、世界から搾取をなくす必要があります。わたしたちが飲むコーヒー一杯、身に着ける綿の肌着一枚も、一番上流のコーヒー農場や綿花畑で、搾取が行われているかもしれません。安ければいいと考えているだけでは、SDGsに取り組んでいるとは到底言えないのです。

目標2 飢餓を終わらせる
 これは、特に途上国での農業の発展に関する取り組みではあるのですが、やはり先進国が行うべきことが掲げられています。たとえば、国産の農産物の競争力を保つための補助金は、他の国でおなじ種類の農作物を作っている農家を苦しめているかもしれません。食料価格の相場の変動は、農家の収入に大きな影響を与えます。投機やデリバティブ商品によって相場がゆがめられるのを防ぐ措置も必要とされています。

 貧困と飢餓、一見日本とは関係がなさそうな目標に見えるところから始まりますが、実はこのような目標にもわたしたちに、行動責任があるのです。17の目標全体に言えるのですが、すべてがつながっていて、すべてについてやることがある。そのことをどんどん見ていきましょう。