中国富裕層は北朝鮮人女性と結婚したがる?
結婚紹介ビジネスのチャンスかもしれない理由

 中国人と北朝鮮人の結婚が朝鮮族で大きな話題となったのにはもう一つ理由がある。それは「結婚紹介ビジネスのチャンス到来?」と考えているからだ。

 北朝鮮人が中国人との合法的な結婚ができるのであれば、北朝鮮人女性との結婚を望む中国人富裕層のニーズは非常に高いと朝鮮族経営者は語る。

 実は、中国での結婚紹介サービス業は1994年に禁止になっている。ところが、その後も日本企業など外資企業はグレーな状態で盛んに結婚紹介サービスを行っていた。

 著者は2000年代後半、中国で日本語雑誌の編集業に携わっていた。そのときに日本人経営の結婚紹介サービス業の広告を複数扱っていたことを思い出す。誌面で紹介するため、そのうちの何社かにインタビューしたことがある。その状況も、東日本大震災直後の時くらいに、中国政府が外資企業への規制を強化して姿を消した。

 今回、当時の記録を引っ張り出して運営会社を探してみると10社中9社のサイトが消滅し、1社は、ベトナム人とフィリピン人を紹介するサービスで生き残っていることが確認できた。

 実に安定感に欠ける、移り変わりの激しい国だ。

 それでも新規商売欲が旺盛な中国人なので、中国国外にある日本企業や韓国企業と業務提携して北朝鮮人との結婚紹介サービスを展開するかもしれない。

 日本企業による結婚紹介サービスが盛んだった十数年前と異なるのは、顧客が日本人ではなく中国人へと変わっていることである。日本企業が中国人を顧客に結婚紹介業を行う時代が到来するのであろうか。 

(筑前サンミゲル/5時から作家塾®)