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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

黒ゴマと棗(ナツメ)のサプライズで感じた
日中「食の交流」を巡る新製品開発

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第137回】 2013年1月10日
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 昨年は、大晦日の12月31日まで中国青島での出張が続いていた。帰りの全日空便で機内食を食べたとき、ちょっとしたサプライズを経験した。

 もともとお酒があまり飲めず、タバコも吸わない私は、若いころから大の甘党だった。最初の留学先が京都だったので、生八ツ橋など京都を代表する和菓子に目がない。今は膨張する体重に苦しい戦いを強いられているので、さすがにデザートに手を伸ばすことは激減したが、時々、食べたいという強い願望が頭をもたげる。

全日空で思わぬサプライズ

 全日空便の客室内で起きたサプライズはそれだった。機内食には、デザートとしてやや小さいサイズの大福が入っている。小さいからつい安心し食欲にも駆られて、その大福に躊躇せずに噛みついた。黒ゴマの香りが口の中で広がってくるのを体感でき、思わず美味しいと驚嘆した。甘さも控えめで、上品な味だった。

 私は上海生まれの上海育ちだが、両親はいずれも浙江省の出身だ。上海に移住し、私を上海で生んだのだ。中国の戸籍には、原籍を意味する「籍貫」という項目があるが、そこには私の場合はいまでも「浙江省」と書き込んでいる。だから、食生活においては浙江省とくに寧波地域の影響を色濃く受けている。たとえば、正月の朝食には、黒ゴマ餡(あん)のスープ団子が必ず出てくる。それは寧波湯団と呼ぶ。家庭のなかで身につけられた生活習慣は今の暮らし、とくに食生活にもその影響を及ぼしている。

 甘党の私は和菓子が好きだが、どうしても餡子系のものが多いことには、すこし閉口したところもある。その潜在的不満もあるためか、お土産に和菓子を買うときも、黒ゴマ系のものがあれば、それを買う場合が多い。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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