年が明け、第2次安倍政権が本格的に動きはじめた。動きの中には、生活保護政策の見直しも含まれている。
今回は、昨年12月の衆議院選挙で落選した民主党議員のもとで政策秘書を務めていた人物の、現在の思いと今後の展望を紹介する。内部から見た民主党政権の3年半と、生活保護への思い、自民党が行おうとしている社会保障改革への思いは、どのようなものであろうか?
今回は、予定を変更し、元民主党議員のもとで政策秘書を務めていた人物へのインタビューを中心に紹介する。予定では2013年1月9日に開催される社会保障審議会・「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」レポートのはずであったが、この特別部会の開催が1月16日へと延期されたからだ。
なぜ、自民党は圧勝し、
民主党は後退したのか?
「なぜ、年末の衆院選で、自民党がこんなに圧勝したんだと思いますか? 民主党の議員はこんなに落選したんだと思いますか? 日本未来の党が選挙結果ではボロボロだったんだと思いますか? なぜ、都知事選で宇都宮健児さんが落選したんだと思いますか?」
今回の衆議院選挙で落選した民主党議員のもとで政策秘書を務めていた村田寿理さん(仮名・53歳)は、開口一番、筆者に問いかけた。なぜだろう? 自分自身、民主党政権に続投してほしいとは思わなかった。といって、自民党政権に復活してほしいとも思わなかった。「実行力やリーダーシップは全然期待できないなあ」と思いながら、第三極のうち福祉施策への熱意を示している政党を、消極的に支持していた。それは、候補者の当選にはつながらなかった。
黙りこむ筆者に、村田さんは、
「世論操作だとか投票率が低かったからだとか、いろいろ言われていますけど、結局、選挙民をキャッチできていなかったんだと思いますよ」
と語った。
村田さんによれば、今回、敗退した政党や候補者が最も「キャッチできていなかった」のは、いわゆる「ロスジェネ」なのではないかという。就職氷河期以後に社会に出る巡り合わせとなった、現在、概ね30代の人々だ。非正規雇用の問題が表面化し始めた最初の世代である。