相続完全ガイド#9Photo:PIXTA

大切な人が亡くなった後、残された家族には膨大な量の相続手続きが待ち構える。葬儀など費用もかかるが、負担を軽減するさまざまな制度もある。しかし、期限があり、申請を忘れてしまえば大損だ。特集『「普通の家庭」が一番危ない!相続完全ガイド』(全14回)の#9では、相続専門税理士の橘慶太氏の協力の下、申請すればもらえる・戻ってくるお金の10項目をまとめた。

「週刊ダイヤモンド」2022年4月30日・5月7日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

葬儀費用180万円など負担は続出
申請すればもらえるお金の「時効」に注意

 死亡届の提出、親族などの関係者への訃報の連絡や葬儀の準備――。

 大切な人が亡くなった後、残された家族には膨大な量の相続手続きが待ち構える。悲しみに暮れる間もなく作業に追われ、金銭的な負担も大きい。

 終活関連サービスを手掛ける鎌倉新書の調査によれば、2020年の葬儀費用の平均は約119万円。飲食費や返礼品を含めれば、平均で約180万円の負担となっている。

 こうした負担を軽減する制度がある。例えば故人が健康保険の被保険者であれば5万円の埋葬料が、国民健康保険や後期高齢者医療保険の被保険者であれば3万~7万円の葬祭費が支給されるのだ。

 ただし、このお金を受け取るためには申請が必要になる。申請には期限があり、忘れてしまえば「時効」になってしまい大損だ。

 次ページでは、申請すればもらえる・戻ってくるお金の10項目について、期限や主な手続きをまとめた。家族を亡くした慌ただしさで忘れて後悔しないよう、ぜひ押さえておこう。