巧みな制御技術を盛り込み
爽快な走りを実現している

 リーフで量販BEVの先陣を切った日産の最新モデルとなれば、その完成度には期待せずにいられない。走り出すと、ほどなくしてリーフとは異なる“かつてない滑らかさ”が感じられた。

 車速を高めていくと、伸びやかな加速フィールは実に気持ちがいい。アリアで初採用した、新開発パワートレーンの実力の高さを感じた。性能をひけらかすタイプのBEVではないが、走りはなかなか爽快だ。エコモード+eペダルオフ(コースティング)時の滑走感が、これまた気持ちいい。

 ドライブモードは、エコ/ノーマル/スポーツの3段階に調整可能で、アクセルレスポンスがわかりやすく変わる。モーターの強みで、普通に走るにはどのモードでもストレスを感じることはない。eペダルは低速域で使いやすく味付けされていて、より人間の感性にマッチしたものに進化している。

 綿密に対策したという静粛性の高さもかなり優秀だと感じた。高速巡行での風切り音も、タイヤが発する音も、あるいは電気系のノイズも巧みに抑え込まれていて、気になる場面はない。他社よりも豊富なノウハウを持っている、日産の最新BEVらしいといえる。