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労働市場最前線Ⅱ

最新調査から見る2014年卒新卒採用見通し
流通・サービス・情報の好調持続は不透明感漂う

戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]
【第7回】 2013年1月17日
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 新年を迎え、「今年は良い年になってほしい」「今年こそは良い年にする」と思う人が多いだろう。昨年末に誕生した安倍政権は経済の回復を取り組むべき第一の政策としていることからも、今後景気が回復するのではないかという大きな期待があるようだ。そのようななかで、今後の雇用の見通しはどうなっているのだろうか。

 以下では、来年2014年に卒業する新卒採用の見通しを中心に、2012年12月19日にリクルートワークス研究所が発表した「ワークス採用見通し調査」を解説していきながら、今後の雇用の見通しについて見ていきたい。

 「ワークス採用見通し調査」は来年度の採用についての増減について、新卒採用、中途採用ともに調査している。採用の増減に対する割合よりも、「増える」と回答した割合から「減る」と回答した割合を引いたポイント(以下、「増える―減る」のポイントと表記)で見ていく必要がある。

2014年卒者の採用数は増える!?

 図表1は、2014年卒の新卒採用見通し(大学生・大学院生)と2013年度の中途採用見通しを示したものだ。新卒採用見通しは、「増える」(10.3%)が「減る」(6.9%)をわずかに上回っており(+3.4%ポイント)、大学生・大学院生の新卒採用は多少回復する見込みだ。

 ただし、「わからない」が2013年卒の25.1%より微増の25.8%となっており、新卒採用市場は今後の景気動向に左右される可能性がある。

 また、参考のために、2013年度の中途採用の見通しについてもここで少し触れておきたい。2013年度の中途採用の見通しついては、「増える」(7.5%)が「減る」(5.3%)を上回っている(+2.2%ポイント)。中途採用の見通しにおいて、「増える」が「減る」を上回るのは、2012年度の見通しに続いて2年連続である。正規社員の中途採用は、2012年度に続いて堅調に推移する見込みである。

 新卒採用の見通しを、過去と比較するために時系列で見て見よう。図表2は、「ワークス採用見通し調査」を調査している2008年卒以降の新卒採用の「増える―減る」のポイントを表したものであり、図表3は経年の見通しを表したものだ。

 図表2を見ると、2014年卒の+3.4ポイントは、2013年卒の+4.0ポイントとほぼ同じであり、前年と同様に推移すると言える。ただし、リーマンショック前の2008年卒(+15.8ポイント)や2009年卒(+11.2ポイント)の水準までには回復しているとはいえない。

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戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]

(とだ あきひと)2008年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了後、リクルート入社。同年4月より現職。大卒求人倍率調査、雇用の現状などを担当。専門は労働経済学。


労働市場最前線Ⅱ

2011年1月からスタートし2012年7月まで続いた『ワークス研究所の労働市場「最前線」』の第2弾。新卒就職、非正規社員、シニア世代の再就業、労働法制……、日本労働市場には多くの課題があり、それは業種や規模の大小を問わず、すべての企業に関係する事だ。本連載ではリクルートワークス研究所の研究員のみならず、リクルートグループ内で「労働」に深く関わる識者からの、最新の労働市場分析や提言をお届けする。

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