「お金の使い道を見直そう」という思考では
なかなか資産がたまらない

 筆者の場合は一時期だけであったが、高い地位にある人ならこれまで長くストレスまみれの働き方をしてきた人は多いだろう。そのために支出が多かったということを考えると、収入が多くてもなかなか資産をこしらえることができない理由もうなずける。

 したがって、単に「家計の見直しをしましょう」というだけでは、なかなか根本的な改善にはならない。そのためには仕事におけるストレスを軽くすることを考えていく必要があるが、これはそれほど簡単な話ではない。

 であるなら、精神論ではなく仕組みで資産形成を図るしかない。サラリーマンで資産形成ができた人の多くは、自分にストレスを与えない仕組みを整えている。給与天引きや銀行自動引き落としを利用して、あらかじめ貯蓄や投資に回し、残ったお金は存分に使うというスタイルを長年続けてきたことで資産形成が成功している。

 お金の使い道を見直すというよりも、最初から資産形成に回すお金を別建てで作っておくという枠組み・構造を考えておくことが必要だろう。