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不機嫌な就活 辻太一朗

「就活だから」が大学教授、学生の免罪符に
誰でも簡単に単位が取れる秋学期試験の実態

辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]
【第7回】 2013年1月23日
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 現在、多くの大学では就職活動が本格化する1月中旬~2月初めにかけて、秋学期の期末試験を実施しています。この自分の将来がかかっている非常に忙しい時期に3年生は大学の単位をどのように取得しているのでしょうか。果たして本当に学業に力を入れることができているのでしょうか。

 今回は、1月というとても大変な時期に、どのようにして就職活動をしながら単位を取得できたか、慶應義塾大学法学部法律学科に在籍しているある4年生に取材しました。

就活のために履修は春学期に集中
秋学期はレポート提出の授業ばかり

 そもそも就職活動を控えた3年生は、春学期と秋学期で履修の配分を上手に分けています。まだ就職活動が解禁されない7月末に期末試験が行われる春学期に履修を固めて、秋学期の期末試験やレポートの負担を減らそうとしているようです。この学生は春学期に30単位、秋学期に16単位履修していました。詳しく話を聞いてみると下記のようなものでした。

 春学期の期末試験がある7月末は、企業のサマーインターンの選考と重なり、勉強時間は減るものの、試験問題が指定された語句を用いた論述問題であった労働法の2単位を落とすだけで28単位取得できました。また、周囲にも春学期でしっかり進級単位を獲得してから就職活動を始めたいという学生が多いようです。

 秋学期においては、期末試験がある授業を10単位(うち6単位は持込み可)、出席と2000字程度の簡単な期末レポートで評価が決まる授業を6単位履修していたそうです。持込み不可の4単位分を除くと、ほとんど勉強時間を割いておらず、期末試験はあまり負担にならなかったそうです。セミナーなどが行われず、比較的まとまった時間が取れる年末年始においても、期末試験の勉強には全く触れず、むしろ就職活動で企業が参考にするテストセンターの勉強に力を注いでいたといいます。

 さらに、確実に単位が取れる自信があって、期末試験の前後の時間にもセミナーを入れて、リクルートスーツで大学の試験を受けるくらい就職活動優先で動いていたと語っていました。それでも16単位すべて取得することができました。

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辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]

1984年に京都大学を卒業後、(株)リクルートに入社。人事部で採用活動を担当し、延1万人を超える学生を面接する。その後、採用コンサルティング&アウトソーシングを事業内容とする(株)アイジャストを設立。毎年100社以上の採用コンサルティングを手がける。2006年にリンクアンドモチベーションとの資本提携後、同社の役員を兼務。2010年にグロウスアイを設立し、企業・教育機関へのコンサルティング、就業力を高めるコンサルティングを展開。2011年、NPO法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」を設立。著書に「面接官の本音シリーズ」、「採用力のある面接」、「就活革命」、「辻式 就職面接内定メソッド」などがある。「カンブリア宮殿」などの報道番組の出演経験あり。


不機嫌な就活 辻太一朗

学生が「就職難」にあえぐ昨今。企業側は「よい学生がいない」と嘆いている。このように学生と企業がすれ違うのは、学生の質の低下だけが理由ではない。「就職活動」そのものに問題があるためだ。この連載では、学生・企業・大学の三者の間で起こる就職活動にまつわる勘違い、ねじれを指摘していく。 

「不機嫌な就活 辻太一朗」

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