高齢化も進み、人口増加率が1を割り込んだ

 少子化だけでなく、高齢化も急速に進んでいる。現在、中国の65歳以上の人口は1.9億人で、全人口の13.5%を占める。10年前と比べて6割も増えた。また、2021年の死亡人口は1014万人、人口死亡率は7.18%。人口自然増加率は0.34%で5年連続減少となった。

 人口自然増加率が1を割ったのは、1961年以来初めてだという。今年4月の時点で統計を発表した省のうち、すでに9つの省で人口減となったことが分かっている。

 急激な出生人口減少の影響を真っ先に受けたのが、病院の産婦人科である。中国政府系メディア「中国新聞周刊」の3月の記事によると、医療施設内の産婦人科の合併や縮小が各地で行われているほか、経営不振となった民営の産婦人科病院の倒産も相次いでいる。例えば、「北京市朝陽婦幼保健院」(産婦人科専門病院)では、2016年の分娩数は1年間で5800件だったのに対して、2021年には2000件と、半分以上減った。

 十数年前、大学付属病院や公立の総合病院の中で一番混んでいたのが産婦人科だった。産前検査の待ち時間が長く、入院ベッドは常に満床。廊下に簡易ベッドを増設したり、入院するためにはコネを使ったりお金で融通を利かせたりすることが日常茶飯事だった。ところが、今は、大きな病院はどこも大混雑だというのに、産婦人科は閑散としているという。