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「引きこもり」するオトナたち

働きたい、自立したい若者が一歩踏み出すきっかけに
京都府がはじめたお試し就労支援「職親制度」とは

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第137回】

 行政による全国でも珍しい引きこもりの人たちのための「職親」体験発表会が1月22日、京都府庁で開かれた。

 この事業を進めているのは、京都府青少年課の『「チーム絆」ひきこもり支援プラットフォームチーム』。今回の体験発表会は、同府青少年課が民間支援団体などと連携し、ワークショップ形式で集まった人たちの意見交換の中から、よりよい支援につなげて、生きづらさを抱える人たちを支援しようというのが狙いだ。

 職親というのは、そもそも就職する際の保証人制度。京都府は、引きこもりの青年たちのための職親制度を2006年度に創設した。

 本人が働きたいと思っても、直接、企業につながっていくことが難しい。そこで、児童虐待やDVなどの問題にワンストップで対応している「京都府家庭支援総合センター」が、引きこもり状態にある本人や家族からの相談を受ける「ひきこもり相談窓口(チーム絆)」を設置。行政やサポートしている団体を通じて、職親と調整しながら、働きたい人たちが社会に溶け込んでいくためのコミュニケーションの練習をしていく場を作ることが事業の流れだ。

職親企業は5年で114社に!
自立のための「お試し」就労体験

 職親は、「社会的引きこもり」に対する理解が深く、就労体験の場を提供してもらえる企業が対象になる。

 2006年当初、受け入れ先の企業は15社。対象者も、わずか1人だけだった。

 それが、11年度末現在、114社が受け入れ先として手を挙げ、50人が制度を利用。職親企業も利用者も、ともに増えてきている。

 実際、いざ働き始めようというときは、引きこもりの人に限らず、どんな人でもドキドキしておじけづくことは少なくない。

 そこで、同制度では、1日だけの「お試し」体験も設定。「通常」は、1ヵ月間の体験コースになっている。2週間の「短期」体験も受け付けている。

 仕事の内容は、作業から接客まで様々だ。その中から、本人に最も適した仕事を調整しながら体験してもらう。

 ただ、研修であるため、給料は支払われない。交通費も自腹となる。あくまで、初めての就労のための場を提供する「お試し」という位置づけだ。

 また、申し込んでもらっても、必ず希望の企業で体験できるというわけでもない。繁忙期などの企業側の業務の状況次第や、本人が合わないなどの理由から、他に調整される場合もあるという。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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