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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

上海の世帯所得や住宅事情はどうなっているか

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第10回】 2013年1月24日
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 中国の住宅事情は、つぎの2つの要因によって、きわめて特殊なものになっている。

 第1は、社会主義経済時代には、住宅の私有が認められていなかったことだ。

 第2は、急速な経済成長による購買力の上昇と、農村人口の都市への流入によって膨大な需要増が生じたことだ。

中国における住宅制度の歴史

 1978年の改革・開放以前の中国では、住宅の建設は国の事業であり、住宅は、福祉施策の一環として分配された。この制度は、「福利分房」と呼ばれる。したがって、中国に不動産市場はまったく存在しなかったわけだ。

 1988年の憲法改正によって、国が土地使用権を民間に譲渡できるようになり、土地利用は、無償・無期使用から有償・有期使用へと変わることとなった。こうして、70年経過後は建物付で国に返還する「70年定期借地権のマンション」が分譲可能になり、不動産市場が発展を遂げた。1998年、数十年間にわたって実施されてきた「福利分房」制度が終わり、「貨幣分房」が実施されることになった。

 購買力の上昇や都市人口の増加によって、2002年以降、中国の不動産価格は高騰した。高額所得者は、投機目的で不動産を購入するようになった。住宅価格の労働者年間所得比は、多くの国で3~5倍だが、中国では10~20倍になったと言われる(ただし、後で見るように、公式統計による数値で計算すると、そこまで行っていない)。

 住宅ローン制度も整っている。自己資金が20~30%あれば、残額は25~30年ローンで賄える。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

多くの日本企業が中国関連事業を将来の事業計画の中核に据えている。したがって、中国に関する情報の入手はこれからのビジネスマンにとって重要な課題だ。本連載では、中国語ができなくても、中国語で中国の情報を収集するノウハウを提供する。 

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