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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

大学教育がグローバル化しても、
経営者がグローバルになれるかがより深刻な課題だ

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第64回】 2013年1月28日
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 このところグローバル人材の必要性が声高に叫ばれるようになった。日本経済を再興するために、グローバル人材を育てることは、企業のみならず、大学にとっても重要な課題である。

 今月中旬、シリコンバレーに拠点を持つ日本の大学十数校の学長・副学長・理事の方々が出席されて、大学の国際化について討議をする会合が開かれた。この会合はJapanese University Network in Bay Area(略してJUNBA)と呼ばれる会合で、今年で第7回目を迎える。文部科学省高等教育局長と日本学術振興会理事長がゲストとして参加された。

 まず、米国側のゲストスピーカーとしてスタンフォード大学のBerman教授から「Globalizing the UniversityムStanford Experience」と題する講演があった。

 同大学の国際化は1958年、学生を欧州の片田舎に派遣して、異文化の中で生き延びることを体験させるところから始まった。その後、この活動を欧州以外に拡大し、現在では豪州、北京、ベルリン、ケープタウン、フローレンス、京都、マドリッド、モスクワ、オックスフォード、パリ、サンティアゴに派遣している。在学生の60%が在学中に一度はこうした活動に参加しているという。

 外国語の習得も必修科目で、英語以外にもうひとつの言語を習得しなければならない。米国民の外国語能力は低く、国民の80%は生涯ひとつの言語しか話せないが、同大学では母語以外の言葉によるコミュニケーション能力の向上に力を入れている。米国の中で同大学は最も外国語の習得に力を注いでいる大学のひとつであるが、欧州の大学では二種類の外国語の習得を目標にしているから、それよりは緩やかである。

 同大学の大学院には多くの外国人留学生が在籍する。特に理工学部でその比率が高い。留学生派遣国は中国、韓国、台湾が多い。彼らが孤立しないように様々なプログラムを設けて活動している。たとえば、彼らがラボに閉じこもっているのを見て、大学がお金を払ってスタンフォードの文科系の学生をチューターとしてつけることを試みた。これでスタンフォードの学生は外国人のことを学び、サイエンスに触れ、留学生はアメリカのカルチャーを学ぶことができた。

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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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