内臓脂肪が多いほどインフルエンザにかかりやすい可能性、日本人1000人調査で判明写真はイメージです Photo:PIXTA

 日本人では内臓脂肪が多いほどインフルエンザに罹患しやすいことを示唆するデータが報告された。木下佳大氏〔弘前大学大学院医学系研究科社会医学講座、花王(株)〕、大里直樹氏(花王)、井原一成氏(弘前大学大学院医学系研究科社会医学講座)らの研究の結果であり、「PLOS ONE」に7月26日、論文が掲載された。

 肥満は免疫反応を低下させて感染症リスクを高めると考えられており、BMIとインフルエンザ罹患率との有意な関連も報告されている。ただしBMIの値には脂肪量だけでなく筋肉量も反映されており、さらに種々の疾患のリスクとの関連は皮下脂肪よりも内臓脂肪の影響が大きいことが知られている。よって、インフルエンザに関してもBMIより、内臓脂肪の方がリスクとの関連が強い可能性が考えられるが、それを検討した研究は報告されていない。また、肥満とインフルエンザの関連を示した研究も主として欧米で実施されたものであり、アジア人での知見は少ない。そこで木下氏らは、弘前大学が行っている住民対象疫学研究「岩木健康増進プロジェクト・プロジェクト健診」のデータを用いてこの点を検討した。