息子が母に渡していたお金は、累積1000万円以上だった

 G太さんに夫婦の危機が訪れたのは、妻の妊娠がきっかけでした。出産後も働き続けるかどうかを夫婦で話し合った時、G太さんが自分の母親に対し、定期的にお金を渡していることが発覚したのです。

「お金のことを今まで妻に黙っていた自分も悪かったのですが、その前にも『家をリフォームしたいからお金が欲しい』という母親に妻が難色を示したことでもめた経緯もあったんです。そのあたりから、それほど良好とはいえなかった嫁姑の関係が悪化するのはどうしても避けたかったんです」

 当然のことながら、事実を知ったG太さんの妻は烈火のごとく怒ったといいます。

「妻から母親に渡していたお金の総額を聞かれたので計算したら、軽く1000万円は超えていたことが分かりました。マンションのローンや子どもの教育費を考えたら、妻が怒るのも当たり前ですよね。『金輪際、うちのお金はあげないということを、G太のほうからお義母さんにちゃんと伝えてほしい。それができないなら、子どもを連れて実家に帰ります』と突き付けられてしまったので、自分が折れる形で妻に約束をしました」

 実は、G太さんは困っている母親から頼まれるとむげに断ることができず、今でも妻に内緒で自分の貯金を切り崩して母親にお金を渡しているとのこと。

「もちろん妻には知られていない口座から捻出しています。ただ正直な話、いつまでこの状態が続くのかと思うと、重苦しい気分になってしまいます。いくら恩義を感じる母親でも、妻にバレる前に援助を断ることを切り出す必要があるとは思っているんですけれどね……」