「気持ちいい情報は大体間違いと思え」鴻上尚史氏と中野信子氏が対談鴻上尚史さんと中野信子さんが語った、ある特定の言説というか、言葉に浸りすぎない脳科学的な対策とは? Photo by ZIGEN

日々人間関係について考え続ける演出家の鴻上尚史氏と脳科学者の中野信子氏が、現代社会の息苦しさから抜け出し、心地良く生きるためのコミュニケーションについて語った対談の第2弾。前回に続き、『同調圧力のトリセツ』(小学館新書)から、テレビでコメンテーターとしても活躍する中野氏がコメントする際に気を付けていること、雑誌で人生相談の連載を持つ鴻上氏の「聞き方」などについてご紹介します。

発言の解像度を上げすぎない

鴻上 中野さんのテレビでのコメントを見てると、「この人上手いところすり抜けていくな」と毎回思うんですよ。ちゃんと炎上しそうな所をかわして、ぼんやりと言いたいことを言ってるなって感じがすごいするんです。

中野 それは、やっぱり、私がいわゆる「勝ち組」ではないからじゃないですかね。それに、発言の解像度を上げすぎないっていうのも、すごく私は気をつけています。「解説者」にならないように…。

鴻上 ただ、解像度を上げないとモヤりませんか? 僕も1年間ひょんなことで、ワイドショーのコメンテーターをやったんですけど、ちゃんと言わないとモヤモヤするから、解像度上げて話してしまって、ネットで発言を取り上げられて、ちょくちょく炎上してました。